ホームセンターで販売されている苗は、どれも同じように見えて、いい苗と悪い苗の見分けがつかず、困った経験はありませんか?正直、どれも同じように見えてしまい、いい苗を見抜くことは難しいですよね。
しかし、野菜づくりをするうえで、いい苗を選ぶことはとても重要です。「苗半作(なえはんさく)という言葉もあるように、苗を選ぶ段階でその作物の収穫量が決まるともいわれています。逆に、元気がない苗を選んでしまうと、病気や害虫の被害にあいやすく収穫量が減ってしまうこともあります。
この記事では、いい苗と悪い苗はどのようにして見分ければよいのかと、苗の植え付けの方法について解説します。
苗には「実生苗」と「接ぎ木苗」の2種類がある
苗には大きく分けて、種から育てた「実生苗(みしょうなえ)」と、病気や害虫に強い品種に接ぎ木をした「接ぎ木苗(つぎきなえ)」の2種類があります。
実生苗(自根苗ともいう)
- 種から育てられた苗
- 接ぎ木苗より安価
- 株が病気や害虫の被害を受けやすい
野菜の種から育てた苗を、実生苗(みしょうなえ)または自根苗(じこんなえ)といいます。実生苗は、接ぎ木苗よりも比較的安く手に入りますが、病気にかかりやすく、害虫の被害も受けやすいという特徴があります。また、成長速度は接ぎ木苗よりも劣るというデメリットもあります。
限られたスペースで家庭菜園を行う場合は、毎年同じ場所に同じ野菜を植えることで、病害虫の被害を受けやすい連作障害の予防のために接ぎ木苗を利用することが望ましいですが、家庭菜園をするスペースがある程度確保でき、毎年違う場所に異なる科の野菜を植えることができれば、実生苗でも問題はありません。
接ぎ木苗
- 苗の一部を切って別の苗をつなぎ合わせたもの
- 病害虫に強い根と育てたい野菜の株をつなぎ合わせている
- 病害虫に強く収穫量が多い
- 実生苗より高価
病気などに強い品種の根と幹に育てたい野菜の幹を繋げる接ぎ木をした苗のことをいいます。価格は実生苗の3~5倍になりますが、病気や害虫の被害を減らすことができるため、野菜づくりにおける様々な管理や手間を減らすことができます。実生苗と比べて接ぎ木苗は強いため、収穫期間も長く、結果的に収穫量が増えるというメリットがあります。
接ぎ木苗は病害虫に強い根と育てたい野菜の根から上をつなぎ合わせたもので、実生苗より高価であるが育てやすくて収穫量も多い。
苗から育てるメリット
野菜を種から育てようとすると、芽が出なかったり、発芽したては身体が弱くて枯れてしまったりと、初心者にとってはややハードルが高いですね。
苗はある程度の大きさに育っているため、育てやすく以下のようなメリットがあります。
収穫までの期間が短い
種は発芽に時間がかかるものもあります。苗から育てる場合は、ある程度成長しているため収穫までの期間が短くなり、失敗も少なくなります。
栽培がしやすい
苗は種より生長し、身体も丈夫になっているので、種よりも育てやすく失敗も少ない傾向にあります。
病害虫の被害が少ない
苗がある程度生長しているため、病害虫に抵抗力があるため被害を受けにくいです。
早めに収穫を楽しめる
苗がすでに生長しているため、収穫までの期間が短いく手軽に野菜づくりが楽しめます。
・野菜を苗から育てることは種から育てるよりも、病害虫の被害や失敗が少なく育てやすい。
・収穫も早い時期から楽しめる。
苗を選ぶポイント
【よい苗の特徴】
- 葉は、緑色が濃く、厚みとつやがあり、葉焼けや虫食いがない
- 茎は、太くしっかりしていて、倒れていないもの
- 根は、白く適度にポットの底から根が出ている
- 茎の葉と葉の間がつまったもの
- 病害虫の被害がないもの
【悪い苗の特徴】
- 茎の葉と葉の間が長くひょろひょろと伸びている→日照不足
- ポットの底穴からぎっしり太く長い根が飛び出し、黄色っぽい色をしている→苗が老化している
- 葉が落ちたり、黄色くなっている→植え付け後も根付きにくい
- アブラムシなどの害虫がついている→害虫の被害により収穫量が減る
【体験談】
私が畑で育てていたオクラが、アブラムシの被害にあってしまい、6株中2株が枯れてしまいました。
あいてしまったオクラのスペースを埋めようと、本来の植え付け時期より約2週間遅れてしまいましたが、ミニトマトの苗を購入し植え付けました。
ミニトマトの苗は、購入した時から、ヒョロヒョロとしていて、葉は茂っていましたが、収穫できた実の量は想定よりもかなり少なくなりました。
その他の野菜は想定よりもたくさん収穫できたので、ミニトマトのみが調子が悪かった形です。
この経験から、いい苗を選ぶことの重要性を実感しました。
苗を購入する場所
ホームセンター
店舗数が多く気軽に行くことができます。苗は植え付け時期よりも早くホームセンターに並ぶこともあるため、植え付け時期は把握しておくようにしましょう。最低気温が10度を超える頃(ゴールデンウィーク頃)を目安に植え付けを行いましょう。適温で植え付けを行ったほうが、その後の作物の生長も早くなります。
ホームセンターの例:コメリ・カインズホーム・コーナンなど
園芸店
園芸店には珍しい品種が販売されていることもあります。また、スタッフも知識が豊富な人が多いため、相談しながら苗を選びやすいといえます。
ネットショップ
実物を見て購入することができないことがデメリットになります。買い物に行く時間が取れない場合は利用を検討するといいですが、あまりおすすめはできません。
苗を購入するタイミング
作物によって植え付けの時期が異なるため、植え付け時期の直前に苗を購入することが望ましいです。
夏野菜である、トマトやナス、ピーマンなどは、3月下旬ごろからホームセンターや園芸店で苗の販売が始まりますが、植え付けはゴールデンウィーク頃が適しています。
早く購入しすぎてしまうと、寒さで野菜の苗が弱ってしまったり、畑に植えるまでの置き場に困ったり、水やりや日当たりなどの管理を行わなくてはなりません。
逆に、植え付けの時期を送らせてしまうと、梅雨の時期に入ってしまい、土が常に湿った状態になると、根腐れが生じたり、病気や害虫の被害を受けやすくなります。こうした理由から、夏野菜はゴールデンウィーク頃に購入し、植え付けを行いましょう。
その他の野菜も同様で、植え付けの時期を調べ、なるべく直前に購入するように心がけましょう。
種から育てた方がいい作物もある
苗から育てるメリットはたくさんありますが、苗を畑や庭に植え替える作業を苦手としていて、種から育てた方がいい野菜もあります。
植え替えをしないほうがいい野菜は、おもに根っこを食べる根菜類です。植え替えによって根が傷つき、生育が悪くなったり、枯れてしまう可能性があります。根菜類などの一部の野菜は種から育てることをおすすめします。
種から育てたほうがいい野菜:ダイコン・ニンジン・ジャガイモ・ホウレンソウなど
ホームセンターや園芸店で販売されているポット苗は、基本的に植え替えて問題ない植物なので、心配はいりません。
野菜の苗の植え付けのポイント
いい苗の特徴を知り、元気な苗を手に入れたところで、次は苗の植え付けを行っていきます。この記事では、プランター栽培ではなく、畑や庭などで育てる場合の植え付け方法を解説します。
【苗の植え付けのポイント】
苗の植え付けは十分に暖かくなってきたゴールデンウイーク頃がいい。
苗の植え付けの2週間前までに土づくりを終わらせておく必要がある。
苗は丈夫なものを選び、夏場は晴天の午前中に、冬場は曇りの日の夕方に植え付けを行うとよい。
苗の植え付けの前に、土づくり・畝立て・マルチングを済ませておく
野菜の苗を植え付ける前に、畑や庭の土づくりや畝立て、必要に応じてマルチングを済ませておく必要があります。
土づくり
【土づくりとは】
・野菜づくりをするのに適した土に整えること。
・堆肥を入れて土の栄養分を補給したり、水はけ通気性をよくする目的で行う。
・野菜が育ちやすい土の酸度に調整するため、酸度調整をする資材を入れる場合もある。
ナスやトマトなど夏野菜を育てる場合は4~5月のゴールデンウィークに植え付けを行うので、土づくりは3月下旬から4月上旬頃に開始します。
土づくりに必要な資材は主に3つあり、①堆肥(土の質の改善と養分) ②石灰(土の酸度調整)③元肥(肥料)あり、さまざまな方法はありますが、堆肥と石灰は植え付けの3週間前までに、元肥は植え付けの1週間前に行うことが一般的です。
土づくりについてはこちら☟の記事に詳しくまとめました。
畝立て
植え付け1週間前の元肥を入れるタイミングで畝立てをします。畝は野菜を育てるベッドのような役割で、野菜の根を張りやすくしたり、通路と野菜のベッドの境界線を分かりやすくする働きもあります。
野菜の苗の植え付けを行う時に、作物ごとにそれぞれ適した株と株の間隔があります。株同士の間隔を「株間」といい、株を並べている列同士の間隔を「条間」と呼んでいます。畝立ての段階で、育てたい野菜の株間や条間を調べておくと、苗をいくつ購入するか把握しやすいのでおすすめです。
作物ごとの株間と条間を一覧表にしました!
野菜の種類 | 条間(cm) | 株間(cm) | |
葉物 | レタス | 30-40 | 20-30 |
ホウレンソウ | 20-30 | 5-10 | |
コマツナ | 20-30 | 5-10 | |
根菜 | ダイコン | 30-40 | 20-30 |
ニンジン | 20-30 | 5-10 | |
カブ | 20-30 | 10-15 | |
果菜 | トマト | 60-90 | 40-60 |
キュウリ | 60-90 | 40-60 | |
ナス | 60-90 | 40-60 | |
ピーマン | 60-90 | 40-60 | |
豆類 | インゲンマメ | 40-60 | 10-15 |
スナップエンドウ | 40-60 | 10-15 | |
その他 | カボチャ | 100-150 | 80-120 |
スイカ | 150-200 | 100-150 |
マルチング
マルチングは、土の保温や保湿、雑草の予防、病気の予防などを目的とし、ビニールやワラなどで土を覆うことを言います。畝立てと同じタイミングで行うことが多いです。マルチング資材にはたくさんの種類がありますが、畑でよく目にする黒いビニールマルチを購入しておけば、間違いはありません。
植え付けに適した時期とタイミング
野菜の苗を植え付けるタイミングは、野菜の種類と地域の気候によって異なります。一般的には、春と秋が適期とされています。ここでは中間地という一般的な気候の地域での植え付けのタイミングを季節ごとに解説します。
春夏野菜の植え付けの時期とタイミング
【春に植える野菜の例】
トマト、ピーマン、ナス、キュウリ、スイカ、メロン、ズッキーニ、カボチャ、トウモロコシ、枝豆など
関東などの中間地ならゴールデンウィーク前後に植え付けることが一般的です。トマトやナスなどの夏野菜は高温を好むので、晴天の午前中に植えるのがおすすめです。植付けは霜の心配がなくなる頃に行います。
秋冬野菜の植え付けの時期とタイミング
【秋に植える野菜の例】
キャベツ、白菜、ブロッコリー、カリフラワー、ほうれん草、小松菜、水菜、カブ、大根、ネギ
中間地であれば9月中旬~10月中旬に植え付けます。白菜やキャベツなども秋冬野菜は低温を好むので、曇りの日の夕方に植え付けます。
秋冬野菜を植え付ける 秋口は気温が低下し、日が短くなるなので、十分に大きく、しっかりした苗を植えるのが大切。苗が小さすぎると白菜やキャベツなどは葉が大きくならず結球しないことがあります。
春夏野菜の苗の植え付けを5月頃に行う理由
地域にもよりますが、ホームセンターには4月頃から野菜の苗が並ぶことが多くなります。ホームセンターや園芸店に苗が並んでいれば、すぐに植え付けてもいいと思ってしまいがちですが、4月上旬は特に寒さも残り、野菜の苗にとって過酷な環境になってしまいます。
気温が安定する
5月頃になると、多くの地域で気温が安定し、霜の心配がなくなります。夏野菜は寒さに弱いため、気温が低すぎる時期や霜が当たってしまう環境下に植えると、育ちが悪くなったり、枯れてしまう可能性があります。
土壌が温まる
5月頃になると、気温の上昇とともに土も十分に温まります。土の温度が低すぎると、野菜の根を傷めてしまい、根から水を吸い上げにくくなったり、発育が悪くなるといった影響が出てしまいます。
日照時間が長くなる
春の訪れとともに、徐々に日照時間が長くなります。日照時間が長くなると、植物が光合成する時間が長くなり、ぐんぐん生長します。
※ただし、地域によっては、5月よりも早い時期や遅い時期に苗を植えることもあります。これは、地域の気候や栽培する野菜の種類によって異なるためです。
例えば、沖縄のような温暖な地域では、3月から4月頃に苗を植えることもあります。一方、北海道のような寒冷な地域では、5月下旬から6月頃に苗を植えることもあります。
苗を植える時期は、地域の気候や栽培する野菜の種類に合わせて、適切な時期を選ぶことが大切です(適地適作)。
植え付けに必要なもの
【苗の植え付けに必要なもの】
- 野菜の苗
- メジャー
- マルチングに穴をあけるもの
- スコップ
- ジョウロ
- 支柱
- 紐
野菜の苗
作物にはそれぞれ栽培に適した間隔があります。株と株の間隔を「株間」、列の間隔を「条間」と呼びます。苗を購入する前に、自分の畑や庭にあった苗の数を把握しておく必要があります。
メジャー
苗の植え付ける間隔を測るために使用します。メジャーがない場合は、自分の手や足のサイズをあらかじめ測定し、メジャーの代わりに使うこともできます。また、20~30㎝のひもや棒を用意し、メジャー代わりに使う方法もあります。
※私は親指と人差し指を思い切り広げた間隔が15㎝なので、自分の手をメジャー代わりに使っています。
マルチングに穴をあけるもの
穴あきマルチの場合は不要です。⇩の商品のようなマルチ専用の穴あけ資材もあるので活用しましょう。ない場合は、ハサミでマルチに切り込みを入れてもよいです。
スコップ
苗を植え付けるときに土を掘るために使用します。スコップはステンレス製のものが長く使えてオススメです。
ジョウロ
苗を植え付け以外にも使用できます。植え付けの時は、たっぷりと水を使うため大きめのものがオススメです。
最近はおしゃれなジョウロも出ています!☟(ジョウロを畑で使う場合のおすすめは8Lです。)
支柱とヒモ
作物の背が高くなり、支柱が必要な場合は、支柱とくくりつけるためのヒモが必要です。支柱はホームセンターなどに売っている緑色のものが一般的ですが、太さや長さがあるため、作物に適したものを選びましょう。
ヒモは、ビニールひもでも問題はありませんが、おすすめは麻ヒモです。麻ヒモは土に還るため、収穫を終えたときに、ゴミとなったヒモを持ち帰る手間がなく、土に埋めて堆肥として活用することができます。
麻ヒモは百円ショップでも購入できますが、☟のようなカラー麻ヒモもあります!かわいい!
野菜の苗を植え付ける手順
実際に野菜の苗を畑や庭に植え付ける手順を解説します。
①植え付けの朝にポットに水やりをする
植え付ける日の前に苗を購入しているば場合は、植え付けの日の朝に水やりをしておきます。前もって水やりをしておくことで、ポット(苗が販売されている時のプラスチックの容器)から苗を取り出すときに土が崩れるのを防ぎ、根の活着もよくなります。
②野菜を植え付ける間隔を決める
作物にはそれぞれ栽培に適した間隔があり、株の間隔を「株間」、列の間隔を「条間」と呼びます。実際に苗を畝の上に並べながら、植え付ける間隔を測っていきます。
作物ごとの植え付けの間隔は下の表を参考にしてください。
野菜の種類 | 条間(cm) | 株間(cm) | |
葉物 | レタス | 30-40 | 20-30 |
ホウレンソウ | 20-30 | 5-10 | |
コマツナ | 20-30 | 5-10 | |
根菜 | ダイコン | 30-40 | 20-30 |
ニンジン | 20-30 | 5-10 | |
カブ | 20-30 | 10-15 | |
果菜 | トマト | 60-90 | 40-60 |
キュウリ | 60-90 | 40-60 | |
ナス | 60-90 | 40-60 | |
ピーマン | 60-90 | 40-60 | |
豆類 | インゲンマメ | 40-60 | 10-15 |
スナップエンドウ | 40-60 | 10-15 | |
その他 | カボチャ | 100-150 | 80-120 |
スイカ | 150-200 | 100-150 |
③マルチングに穴をあける
穴あきマルチを使用する場合と、マルチングをしない場合はこの作業は不要です。
専用のマルチに穴をあける道具を使うか、ハサミを使って、植えつけをする位置にポットと同じくらいの直径で穴をあけます。
ハサミで穴をあける場合は、軽く切り込みを入れて、手で伸ばしながら広げてもいいです。ただし、力を入れすぎてマルチングが外れたり、ずれてしまわないよいに注意しましょう。
穴あきマルチを使うと、この作業をしなくて済むのでおすすめです。
ただし、作物ごとに適した穴の大きさや間隔があるため選び方には注意しましょう。
④植え付け用の穴を掘る
マルチングに穴をあけた部分に10㎝程度の深さの穴を掘ります。スコップがあった方が便利ですが、ない場合は手で掘っても大丈夫です。
⑤穴に水を入れる
10㎝程度の深さに掘った穴にジョウロで水をたっぷり入れます。穴から水があふれる手前を目安にたっぷりと水を入れましょう。次第に水が土に吸収されていくので、水がひくまで待ちます。
⑥苗を取り出す
苗を手に取り、苗の株元(土に近い部分)を片手でそっと持ちます。ポットを逆さにして、ポットの底穴を軽く指で押し、根鉢を傷めないようにポットから苗を取り出します。
取り出した苗を先ほど掘った穴の中に置きます。
⑦苗を植える
植え穴に入れた苗の株元が地表に来るように高さを調整します。
浅くなりそうなときは、再び苗を取り出して土を掘り、深くなりすぎてしまうときは穴に少しずつ土を戻して穴を浅くします。植え穴に入れた苗の株元が地表に出るように高さを調整してから、苗と穴の隙間に周囲の土を入れて、苗の周辺を上から手で軽く押さえます。
・接木苗の場合は、必ず接ぎ木部分が地上にでるように植えつけましょう。
⑧苗を支柱に固定する
トマトやナスのように背が高い野菜は支柱を立てて固定します。
植えつけたばかりの苗は根が新しい土に馴染んでおらず、グラグラしています。強風で倒れてしまったり、ぐらつくことで、新しい土に根付くのが遅くなることがあり、野菜の生長に影響を及ぼすため、支柱を立てて、苗を紐で固定します。
苗をひもで結ぶ時は、苗を傷つけないよう注意が必要です。「8の字結び」をすると苗を傷めず、支柱にしっかりと固定できます。固結びをしてしまうと苗の茎を傷めることがあります。
植え付けのポイント
- 事前に土づくりを済ませておく→土づくりは野菜づくりの基本。
- いい苗を選ぶ→健康的な苗は育てやすく、収穫量も多くなる。
- 苗は適切な時期に植える→寒すぎると苗が弱ってしまう。遅すぎても十分に生長しないため、収穫量が減る。
- 植え付け前に苗に水を与えておく→ポットから苗を取り出しやすくなり、根を傷めるリスクが減る。植え付け後の根の活着もよくなる。
- 適切な株間で苗を植える→密集すると、風通しが悪くなり病害虫の被害を受けやすくなる。栄養分を奪い合い、収穫量が減ってしまう。
- 背が高い苗は支柱で固定する→根の活着がよくなる。苗が折れるのを防ぐ。
苗を植える深さの注意点
野菜の苗を植え付ける深さは、野菜の種類によって異なりますが、一般的には、ポットの土と畑の土が同じ高さになるように植え付ければ問題ありません。苗を植え付ける深さは以下の点に注意して行いましょう。
接ぎ木苗の場合は接ぎ目を埋めない
接ぎ木苗の場合は、接ぎ目を土に埋めてしまうと、台木と穂木の成長が阻害されてしまいます。つまり、接ぎ木の良さを発揮位できず、最悪枯れてしまうこともあります。接ぎ目は必ず土の上に露出するようにしましょう。
深植えしすぎない
深く植えすぎてしまうことで、根腐れの原因になったり、幹が腐ってしまう場合があります。収穫量が減ったり、最悪、枯れてしまうこともあるため注意しましょう。
浅植えしすぎない
苗を浅く植えると、安定感がなく、倒れやすくなり風などで傷んでしまう可能性があります。深すぎず、浅すぎずちょうどいい深さで植え付けを行うことがポイントです。
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