【石灰資材】家庭菜園で知っておきたい!石灰資材の役割と使い分けについて解説!

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野菜づくりでは、土の酸度(pH)も調整すると聞いたことはありませんか?土の酸度を調整する資材も、沢山の種類があり、何をどう使ってよいのか迷ってしまいますよね。今回は、土の酸度を調整する石灰資材の種類と使い方について解説します。

この記事の結論は、土の酸度を調整する資材は、「苦土石灰」が扱いやすい。石灰資材は使いすぎに注意する。

【参考文献】「基本からわかる土と肥料の作り方・使い方」

目次

石灰資材の役割

土の酸度調整

日本は雨は酸性で、降雨量が多いことが特徴です。そのため、雨が降り注いだ畑の土は酸性になりやすい特徴を持っています。また、アルカリ性の成分である、カルシウムやマグネシウムが雨水によって流れ出てしまうため、土が酸性に傾きやすい特徴があります。石灰資材を投入することで、土の酸度を調整する役割があります。

カルシウムの補給

カルシウムは、植物を丈夫にし、根の発達を促す働きがあります。カルシウムが不足すると、植物が弱くなり、病害虫の被害に合いやすくなります。石灰資材を施すことで、土の中のカルシウム量を増やし、植物の健全な生育を促進することができます。

マグネシウムの補給

マグネシウムには、リン酸の吸収を助けたり、植物体内の酵素を活性化させたりする働きがあります。

アルミニウムの害を防ぐ

酸性土壌では、土の中のアルミニウムが溶け出しやすくなり、これが過剰に起きると、根の発育障害を引き起こしたり、リン酸と結合して、作物が吸収するはずのリン酸を奪ったりします。石灰資材の投入によってアルミニウムの害を防ぎます。

肥料分を吸収しやすくする

根は自ら有機酸を分泌し、ミネラル分を溶かして吸収していますが、土が酸性になると、この有機酸の働きが悪くなるため肥料分を吸収しにくくなります。また、酸性土壌になると、有用な微生物も住みにくくなります。根の周りの環境を整えるのも石灰資材の役割です。

石灰資材の種類と特徴

石灰資材の多くは、石灰岩からできています。製法の違いによって効果が現れるスピードや効力に差があります。

ドロマイトから作られたもの

ドロマイトとは、カルシウム(石灰)とマグネシウム(苦土)を含む天然鉱物のことです。

苦土石灰(くどせっかい)

◎苦土石灰が一番扱いやすい

・pH調整と同時にカルシウムとマグネシウムの補給ができることが特徴です。
・じわじわと効いてくるため、施した後にすぐ植え付けても根を傷めませんが、pH調整の効果を上げるためには、植え付け10日ほど前に施しておくといいです。
・畑の状況にもよりますが、基本的には1㎡あたり100ℊ施します。

【向いている野菜】
特にジャガイモは、土がアルカリ性に傾くと皮の表面がザラザラしたかさぶた状になる「そうか病」を引きおこす可能性があります。
効果がゆるやかな苦土石灰・有機石灰や、中性の硝酸カルシウムなどを施用するほうが安心です。

石灰岩から作られたもの

炭酸カルシウム(炭カル)

・石灰岩を砕いて粉にしたもの。
・酸性土壌や根が分泌する有機酸に溶けて、ゆっくりと効いてきます。効果がでるまでに時間がかかるので、種まきや植え付けは石灰を施してから10日ほどたってから行います。
・畑の状況にもよりますが、基本的には1㎡あたり100ℊ施します。

消石灰(しょうせっかい)

・生石灰に水をかけると発熱しますが、その過程でできるのが消石灰です。すでに水と反応しているので、水をかけても発熱しません。
・殺菌力があり土の消毒効果が期待できます。
・ただし土の消毒目的で使用を続けると、土がアルカリ性に傾くため、消毒は太陽熱消毒などを行うほうがいいです。
・アルカリ性が強く速効性があるので、生石灰と同じように種まきや苗の苗の植え付けは、施してから2週間ほどたってから行います。
・畑の状況にもよりますが、基本的には1㎡あたり100ℊ施します。

酸性土壌が苦手なほうれん草やえんどう豆、アスパラガスなどは、pH6.5~7.0の微酸性~中性にします。
速やかに土壌酸度を調整したいときはアルカリ性の強い消石灰を用いることも検討します。

ジャガイモやサツマイモなどはの酸性の土を好む野菜は、強いアルカリ性の石灰資材を使うのは避けましょう。

有機物から作られたもの

カキ殻

・カキ殻の塩分を取り除き、乾かして砕いたものと、高温で焼いたものがある。
・畑の状況にもよりますが、基本的には1㎡あたり200ℊ施します。

貝化石

・海中の貝殻などが地殻変動の影響で化石化し、地中に堆積することでできた貝化石を砕いたもの。
・畑の状況にもよりますが、基本的には1㎡あたり200ℊ施します。

有機栽培をしたい方にはおすすめですが、価格が高いというデメリットもあります。

石灰資材の施し方

植物の多くは、微酸性~弱酸性の土壌を好みますが、中には酸性の土を好むものや酸性でも十分育つものがあります。育てる作物の種類や土のpHの値によっては、必ずしも石灰資材を施す必要はありません。土の状態に応じて石灰資材を使用しましょう。

①種まきや苗の植え付けの2週間前に投入の目安です。強いアルカリ性の生石灰や消石灰は施してからすぐに植え付けをすると根を傷めてしまいます。炭酸カルシウムや苦土石灰は、効果が出るまでに時間がかかってしまうため、約2週間前に投入します。

②植物によっても好みのpHは異なるため、育てるものに合わせてpHを調整します。

③石灰資材を施したらよく土と混ぜてください。石灰がかたまっていると、植物の根に害を与えることがあります。

石灰資材の使いすぎに注意

やみくもな石灰資材の投入は、土のアルカリ化を引き起こします。土がアルカリ性に傾くと、もとに戻すのは酸性に傾いたときよりも難しいです。適切な量を使用するために、酸度測定器などの利用をおすすめします。

主な石灰資材の一度に施せる量

石灰資材を適切に使用するために、利用している畑の広さも把握しておきましょう。

この表に記載されている量は、石灰資材を施すおすすめの目安ではなく、あくまで一度に施せる上限なので、使いすぎに注意しましょう

石灰資材一度に施せる量(g/㎡)
苦土石灰200〜300
炭酸カルシウム200〜300
消石灰150〜220
貝化石240〜360
カキ殻240〜360
一度に施せる石灰資材の量

アルカリ性に傾くことで生じる問題

降雨量の多い日本の土は、通常は酸性ですが、石灰資材の入れすぎなどにより、アルカリ性土壌になる場合があります。アルカリ性土壌になってしまうと、酸性土壌の改善よりも手間がかかります。

土のアルカリ化が生じると
微量要素(鉄・マンガン・亜鉛・銅など)の溶け出す量が少なくなってしまい、様々な欠乏症状の原因になる。

アルカリ性の土の改善方法

酸性の資材を投入する

・硫安
・塩化
・塩安
・過石

いすれかの酸性肥料を施すと、アルカリ性が中和される。

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