生ごみは肥料になる?畑の土に埋めるだけで簡単に作れる生ゴミ堆肥の作り方を解説

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家庭菜園初心者

ホームセンターに売っている堆肥はお金もかかるし、重くて運ぶのが大変!
何かいい方法はないかな…。

おいも

家庭から出る生ごみを使って、簡単に堆肥を作れる方法があるので紹介します!

この記事では、「土に埋めるだけ」の簡単で節約にもつながる堆肥づくりについて詳しく解説します。

この記事を読むことで、捨てるはずであった生ゴミを有効活用でき、環境にもお財布にも優しい堆肥が作れ、野菜をより元気にすることができます。

目次

堆肥(たいひ)とは

堆肥(たいひ)とは、ワラや枯草、野菜の切れ端などの植物や、鶏ふん、牛ふんといった家畜のふんを発酵させたもの。

野菜が健康に育つための「土づくり」に役立ちます。

堆肥の例として、牛ふん堆肥や腐葉土などがあります。

土づくりとは?:野菜づくりをするための土の環境を改善し、野菜に必要な養分や水分をバランスよく十分に供給できる土にすることをいいます。

おいも

土づくり堆肥について詳しくは☟こちらの記事をご覧ください。

生ゴミ堆肥のメリット

生ゴミは、家庭ごみのうち、およそ4割を占めていると言われています。それに加えて、生ゴミは臭いも気になることが多いと思います。そんな生ゴミを使って、堆肥づくりに取り組むことで、ゴミの削減にもつながります。さらに、自分で作った堆肥を使って、家庭菜園でおいしい野菜を育てることができます。

生ゴミが減る 

野菜の皮や果物の皮、お茶の出し殻など、生ゴミ堆肥として活用できるものはたくさんあります。生ゴミが減ると、ゴミ捨ての手間も減り、ゴミ袋代の節約にもなります。

環境にやさしい

本来捨てるはずであった生ゴミを堆肥として活用することができるため、ゴミの削減になります。生ゴミは燃やして処理するため、二酸化炭素の排出を減らすことができます。また、ゴミ袋や三角コーナーのネットの使用量も減るため、環境にやさしいと言えます。

畑の野菜が元気に育つ

生ゴミ堆肥は栄養素がたっぷり含まれています。そのため、作物の栄養分を補給することに加え、野菜づくりに欠かせない土の質をよくする働きもあります。

化学肥料は肥料としての栄養分はありますが、いい土にするために必要な微生物の餌になる有機物は含まれていません。そのため、化学肥料に頼りすぎてしまうと、土の中の微生物が死んでしまい、野菜は元気に育たなくなってしまいます。生ゴミ堆肥は「微生物のごはん」となる有機物であるため、野菜づくりに適しています。

【体験談】
市民農園で1年間野菜づくりをした経験があります。
畑を借りた当初は、化学肥料を与えなければ育たないと思い込んで与えていましたが、半年たったころから、生ゴミや野菜くずを定期的に土に埋めて堆肥づくりをして野菜に与えていました。
すると、堆肥を与え始めてから一度も化学肥料を与えなくても、ブロッコリーやほうれん草、サニーレタス、コマツナなどがたくさん収穫できています
肥料代の節約にもなりますし、なにより、野菜が健康的に育ってくれることが嬉しいです!

節約になる

捨てるはずであった生ゴミで堆肥を作るので、お金はかかりません。堆肥は栄養分がたっぷりなので、ホームセンターで肥料を購入する必要もなくなります。また、生ゴミが減る分、ゴミ袋代の節約にもなります。

生ゴミ堆肥のデメリット

堆肥になるで時間がかかる

微生物が有機物を分解するために、数か月の時間がかかります。気温が高いほど、微生物は活発になり、気温が低いほど微生物の活動性は低くなります。

生ゴミの堆肥化にかかる期間は、夏場は1か月、冬場は2~3か月が目安になります。

堆肥づくりの場所が必要

生ゴミ堆肥を作る専用のスペースが必要です。生ゴミが堆肥になる過程では微生物が活発になるため、その土の温度が上がります。人間が運動すると、身体が熱くなって呼吸数が上がるように、微生物も生ゴミを分解するという運動をすることで、熱をもち、土の温度も上がります。

そのため、堆肥作りをしている場所で植物を育てると、根が熱で弱ってしまう可能性があるため、堆肥専用のスペースを設ける必要があります。市民農園やシェア畑などの小さな畑を借りている場合は、畝と畝の間の通路や畑の隅を利用するといいです。

ただし、ナスなどの根が広範囲に広がる野菜は、通路まで根が伸びた時に根を傷める可能性があるため注意しましょう。

分解できない材料は利用できない

生ゴミ堆肥に利用できるものは「有機物」です。茶殻などを利用する場合は、ティーパックの袋は取り除く必要があります。分解できないものは、少量であっても利用できません。

管理が不適切だと虫や悪臭が発生する場合がある

腐った生ゴミやカビが生えたものは使用できません。こうしたものを畑に埋めると、腐敗し悪臭や虫が発生する原因になります。

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<h2 class=生ゴミが分解されるしくみ

土の中には、土1gあたり約1億もの微生物がいるといわれています。この微生物の餌が「有機物」です。生ゴミなどの有機物は、微生物によって細かく分解されていきます。

【もっと詳しく!】
土の中にいる微生物は、「菌類(カビ)」「細菌(バクテリア)」「藻類」「原生動物」の4種類に分けられ、主に菌類と細菌が有機物の分解に活躍します。最初に菌類が有機物を大まかに分解し、さらに酵母や乳酸菌などの細菌がそれを植物が吸収できる養分(無機栄養素)に分解していくことで、生ごみは堆肥化されます。

おいも

美味しい野菜づくりをするうえで微生物は重要な役割を果たします。
詳しくは☟こちらの記事にまとめたのでご覧ください。

発酵と腐敗の違い

発酵と腐敗はどちらも微生物の力によって物質が変化することです。言葉の違いは、人間にとって有益であれば、「発酵」とよび、有害であれば、「腐敗」と呼びます。堆肥は人間にとって有益な資材であるため、堆肥づくりにおける過程は「発酵」になります。

発酵か腐敗かを分けるのは、化学的な根拠があるのではなく、人間の都合だということです。

発酵:微生物が人間にとって有益なものをつくる
腐敗:微生物が人間にとって有害なものをつくる

生ゴミ堆肥に利用できるものとできないもの

生ゴミであれば、何でも堆肥づくりに使用できるわけではありません。堆肥は有機物を土の中の微生物が分解することになって作られます。そのため、微生物が分解しにくいものは堆肥の材料には向きません。

また、腐ったものやカビが生えたものは、「腐敗」に働く微生物が多すぎて、「発酵」がうまく進まなくなるため、堆肥の材料として利用できません。

堆肥として利用できる生ゴミ

  • 野菜くず(野菜の切れ端やワタなど)
  • 果物
  • お茶のだしがら
  • コーヒーかす
  • 卵の殻
  • ごはん
  • パン
  • 麺類

堆肥として利用できない生ゴミ

  • 乳製品
  • 調理された食品
  • 油が多量に含まれたもの
  • タケノコの皮
  • トウモロコシの皮
  • 腐ったもの
  • カビが生えたもの

【生ゴミと燃えるごみは違う】
「生ゴミ」と「燃えるゴミ」は同じものではありません。
「生ゴミ」は、水分を多く含むごみのことで、調理で出た野菜くずや残飯などを指します。

生ゴミ堆肥の作り方

  • 堆肥づくりに利用できる生ごみをキッチンの三角コーナーにためる(目安は1週間分)
  • 畑に穴を掘る(生ゴミが入るくらい)
  • 掘った穴に生ゴミを入れる
  • 生ゴミと土を軽く混ぜる
  • 土をかぶせて埋める

生ゴミを土に埋めた後は、夏場は1か月、冬場は2~3か月を目安に掘り返して確認しましょう。

生ゴミの原型がほぼなくなっていれば、分解された証拠です。

生ゴミ堆肥を作るときのコツ

  • 分解できないものを入れない:いつまでたっても分解されず堆肥にならない。
  • 分解しにくいものを入れない:分解に時間がかかる。
  • 大きいものは小さく切ってから使う:小さいもののほうが早く分解される。
  • 水分はしっかり切ってか使う:余分な水分は腐敗やカビの原因になる。
  • 適度な水分を保つ:生ゴミ自体の水分は腐敗やカビを予防するために必要。土は適度に湿った状態が理想。
  • 腐ったものは使用しない:悪臭が虫が発生する原因になる。
  • 生ゴミを大量に入れない:生ゴミの量が多いと分解が間に合わずうまく堆肥化できないことがある。

生ゴミ堆肥を作る場所

生ゴミ堆肥を作る場所、つまり生ごみを埋める場所は、作物を育てていない空きスペースで行います。

広い庭や広い畑を持っている人であれば、場所には困らないと思います。

市民農園やシェア畑を利用している場合は、自分が使えるスペースは限られています。

このような場合は、畑の隅に埋めたり、畝と畝の間の通路で堆肥づくりをすることをおすすめします。

ただし、ナスなどの根が広範囲に広がる野菜は、通路まで根が伸びた時に根を傷める可能性があるため注意しましょう。

生ゴミ堆肥を作りたいからといって共用スペースや共用の通路、隣の畑に生ごみを埋めることは厳禁です。

堆肥になる期間

気温が高いほど、微生物は活発になり、気温が低いほど微生物の活動性は低くなります。

生ゴミの堆肥化にかかる期間は、夏場は1か月、冬場は2~3か月が目安になります。

堆肥づくりの体験談

【体験談】
35度を超える猛暑日が続いていた夏は、生ゴミや残渣を土に埋めて1~2週間でほぼ土の状態に分解されていました。
逆に最高10度前後の冬場は、畑の土が冷蔵庫のようになってしまい、2か月たってもほぼ分解が進んでいないこともありました。
気温の影響を受けることを身をもって体験しました。

異臭や虫が発生したときの対処

生ゴミ堆肥を作るとき、しっかりと土をかけたり、腐ったものを利用しなければ、基本的に虫が発生することはありません。

しかし、虫や悪臭が発生する確率は0ではないため、発生した時の対処について解説します。

生ゴミと土をよく混ぜる

虫が発生した場合は、その虫が心地よい環境になっていることが考えられます。

生ゴミと周りの土をよく混ぜることで、その環境を壊し、虫の発生を抑えることができます。

土の割合を多めにする

生ゴミの量が多すぎると、微生物の分解が追い付かない可能性があります。

混ぜてしまった生ゴミを持ち帰ることは大変なので、生ごみを入れている穴をひと回り大きくするイメージで周りの土と混ぜ合わせ、生ゴミに触れる土の割合が多くなるようにしましょう。

生ゴミに土をしっかりかぶせる

生ゴミが土から出ていると、虫が寄ってくる原因になります。

雨や風で土の表面から生ゴミが出てきてしまった場合は、再度しっかりと土をかぶせましょう。

【殺虫剤や農薬はなるべく使わないことを心がける】
殺虫剤や農薬は有益な微生物や虫もなくしてしまいます。
できる限り使わない方法で対処しましょう。

まとめ

生ごみ堆肥は、土に穴を掘って埋めるだけでできる簡単な堆肥です。

環境にも作物にも、お財布にも優しい優れものです。

ぜひ、生ゴミ堆肥づくりに挑戦してみてください。

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