【団粒構造とは】家庭菜園でできる団粒構造の確認方法と作り方を解説!

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家庭菜園の初心者は、土作りが大切だと教えてもらうことが多いですよね。そこで、よく聞く「団粒構造の土」という言葉を聞いた瞬間、難しい!と感じてしまうことがあるかもしれません。

私も、家庭菜園を始めたばかりのときは、わからない言葉だらけだったので、よくわかります。

今回は土の役割と団粒構造について分かりやすく解説します。

この記事を読むことで、野菜づくりの基本となる「団粒構造の土」の意味が分かり、やるべきことが分かります。

結論は、団粒構造とは、団子状になった大小の土の塊がバランス良く混ざり合っていて、適度な隙間がたくさんつくられている土のことで、作物が成長するのに欠かせない、水はけや通気性、水持ちがいい土のことをいう。団粒構造の土を作るためには、化学肥料や農薬の使用は控え、有機物を有効に活用することです。

目次

畑の土の役割

畑の土は、植物の生育にとって非常に重要な役割を果たします。その役割は以下の通りです。

1. 植物の根を支える

植物は土の中に根を張ることにより、強風などでも倒れないよう、植物を支えています。健康的な土であれば植物の根は張りやすくなります。

2. 水と栄養分の供給

土は植物に必要な水と栄養素を蓄えています。植物は根から水分や養分を吸収して生長します。また土は、水分や栄養分を蓄える役割があります。

3. 土壌微生物のすみか

土の中には、有機物を分解したり、植物の生長を促進したりする様々な微生物が存在します。土壌環境が良好であれば、これらの微生物が活発に活動し、植物の生育を助けます。

団粒構造とは

土壌粒子がくっついて、小つぶの粒子になったものを団粒(だんりゅう)と呼びます。 団粒構造とは団粒がさらにくっついて集合体となったものを指します。

団粒構造は、団子状になった大小の土の塊がバランスよく混ざり合っています。

団粒構造のメリット

団粒構造とは、土壌粒子が小さな塊状に集まった土の構造のことです。

団粒構造には、以下のメリットがあります。

1. 通気性と水はけがよくなる:土壌中に大小の隙間作り出すため、通気性と水はけがよくなる。通気性が良いと、植物の根が十分な酸素を吸収することができる。水はけが良いと、土の余分な水分が排出され、根腐れなどを防ぐことができる。

2. 保水性の向上:団粒内部の小さな隙間が水分を吸い上げるため、土が水分を保持する能力が高くなる。保水性が高いと、乾燥した時期でも植物が水分不足になるのを防ぐことができる。

3. 保肥性の向上:団粒内部の小さな孔隙が有機物や養分を吸着するため、有機物や養分を保持する能力に優れる。保肥性が高いと、肥料の効きが長持ちし、肥料の無駄を減らすことができる。

4. 根の発育促進:団粒の隙間があることで、植物の根は伸びやすくなる。根の発育が促進されると、植物はより多くの水や栄養素を吸収することができる。

5. 微生物の活動活発化:団粒内部の小さな隙間は、土壌中の微生物に必要な酸素や水分が含まれており、微生物が住みやすい環境になっている。微生物が活発になると、有機物の分解が促進され、土が豊かになる。

6. 土壌の安定化:団粒は、土壌粒子を互いに結合し、土壌の表面を覆うため、雨水によって土が流れ出るのを防ぐ。

土の団粒構造を作っていくことは、作物が育ちやすい環境にするために欠かせない!

団粒構造がつくられる要素

団粒構造は、土の粒子がさまざまな要素によって接着され、団子状の構造を形成することで作られます。

団粒構造が作られる過程は下記の通りです。

1. 粘着物質による結合

  • 微生物の分泌物: 土壌微生物が有機物を分解する際に分泌する粘着物質は、土壌粒子を接着する役割を果たします。特に、糸状菌や放線菌などの菌類は、多量の粘着物質を分泌することで、団粒構造形成に大きく貢献します。
  • 植物の根 植物の根は、成長過程で分泌物を出します。これらの分泌物には粘着物質が含まれており、土壌粒子を接着し、団粒構造形成を促進します。
  • ミミズなどの動物 ミミズなどの土壌動物は、土壌を食べる過程で有機物を分解し、粘着物質を含む糞を排泄します。この糞は、土壌粒子を接着し、団粒構造形成に役立ちます。

2. 物理的な圧力

  • 植物の根の成長: 植物の根は、成長過程で土壌粒子を押し広げ、圧力をかけます。この圧力によって、土が自然に耕された状態となり、土壌粒子は団粒状にまとめられます。

3. その他の要因

  • 有機物の量: 微生物のエサとなる有機物量が多いほど、団粒構造形成に必要な粘着物質が多くなります。
  • 土壌のpH: 土壌のpHが適度な範囲であると、微生物活動が活発になり、粘着物質の分泌が促進されます。
  • 土壌の構造: 土壌の構造が良好であれば、土壌粒子は団粒状にまとめられやすくなります。

畑の土が団粒構造であるか確認する方法

団粒構造の確認をする方法はいくつかありますが、ここでは一番簡単な方法を紹介します。

土を握って確かめる方法】

・適度に湿った土を片手に適量のせる。
・その土を軽く握る。
・握った土を軽く指で押す。

団粒構造の土→握ると塊になり指でほぐすと程よく崩れるのが特徴

粘土質の土→握った土が硬い塊になり、簡単には崩れない

砂質の土→まとまりがなく、握っても団子にならないかボロボロと崩れる

団粒構造を作るためにすること

団粒構造かどうか、まずは自分の畑や庭の土を握って確認をしましょう。

【団粒構造の土】
団粒構造の土であれば、土はいい状態であるため、引き続き微生物のエサとなる有機物(堆肥や緑肥)を与えましょう。

【粘土質の土】
硬い塊となる粘土質の土であれば、ぎゅっとしまった土を柔らかくする必要があります。
しかし、粘土質は栄養分の多い土であるため、栄養分はさほど高くなく、微生物のエサになる有機物(腐葉土やもみ殻)を入れると団粒構造の土に近づきます。

【砂質の土】
握っても塊にならない砂質の土では、水はけがよく、微生物が有機物を分解するスピードが早いという特徴があります。
また、栄養分を蓄える力が弱い特徴もあるため、分解に時間がかかる堆肥(バーク堆肥や落ち葉堆肥)を利用しましょう。

このことを念頭に置き、共通する団粒構造を作るために必要なことを解説します。

  • 有機物の施用: 堆肥や緑肥などの有機物を土に施すことで、土壌中の有機物量を増やし、団粒構造形成を促進することができます。
    有機物は、微生物のエサとなり、微生物が活発に活動することで、粘着物質が分泌されます。
    この粘着物質が、土壌粒子を接着し、団粒構造を形成します。
  • 適度に耕す: 土を耕すことは、土の通気性や水はけを改善します。
    しかし過度に耕すと、せっかくできた団子の粒を壊すことになり、団粒構造を破壊してしまう可能性があります。
    畑を耕すときは適切なタイミングで適切な方法で行いましょう。
  • マルチング: マルチングとは、土壌の表面をビニールやワラなおで覆うことです。
    乾燥や風による土の粒子の飛散を防ぎ、団粒構造を維持することができます。
  • 緑肥の栽培:緑肥とは、土を健康にするために育てる作物のことです。
    緑肥は、土に有機物を供給し、土壌中の微生物活動を活発にする効果があります。
    緑肥を栽培することで、団粒構造が作られるのを促進することができます。
  • 土壌微生物の活性化: 土壌微生物は、有機物を分解し、粘着物質を分泌することで、団粒構造をつくります。
    土壌微生物の活性化には、有機物の施用や適切なに土を耕し、土に酸素を供給することが有効です。
  • 適切な水やり 適切な水やりは、土壌中の水分量を調整し、団粒構造を維持するのに役立ちます。
    過度な乾燥や過湿は、団粒構造を破壊してしまう可能性があります。

その他

  • 土壌のpHを適正な範囲に保つことも、団粒構造形成に重要です。
  • 土壌の状態に合わせて、適切な方法で団粒構造を作ることが大切です。

まとめ

団粒構造の土は、家庭菜園でおいしい野菜を作るために欠かせません。

まずは、自分の畑や庭の土を軽く握って、団粒構造の土であるか確認し、団粒構造であれば、維持するために引き続き有機物の施肥を行いましょう。

団粒構造ではない場合は、団粒構造の作り方でもの解説した方法を試してみましょう。

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