有機栽培の野菜はおいしいイメージがありますよね!
手軽に育てられる化学肥料栽培とは何が違うのか疑問に思ったことはありませんか?
今回は、有機栽培の野菜がおいしい理由を、化学肥料栽培との違いも踏まえて解説します!
結論
化学肥料栽培はサプリメントのように速効性があり、野菜が早く育つが味が落ちる。
有機栽培は野菜のペースに合わせて育つため、おいしく美しい形に育つ。
有機栽培とは
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有機栽培とは、化学的に合成された肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使わなず、環境にやさしい方法で栽培を行う方法です。
有機栽培は、おいしく安全な野菜であるだけでなく、自然の力を利用した環境にやさしい方法で栽培されています。
有機栽培の定義
農林水産省による有機栽培の定義は以下の通りです。
・化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
・遺伝子組換え技術を利用しない
・農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する
農業生産の方法を用いて行われる農業です。
※農林水産省ホームページより引用
ゆっくり育った野菜はおいしい
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野菜の形にも美しさを感じられる
野菜の姿を見ると、その野菜がどう育ってきたのか、おいしいかどうかが分かります。
葉の広がりや実の形などがシンメトリーで美しいと感じたら、生育中に過度にのストレスにさらされず、ゆっくりと育った野菜で美味しい野菜だと思っていいでしょう。
肥料が適量で旬に合わせた栽培で、気温も水分も適切な環境で育った証拠です。
必要以上に養分(主にチッソ分)を吸って育った野菜は早く大きくなりますが、対称性が崩れていびつな形になります。
葉は厚ぼったく葉の色は緑が濃くて美味しくありません。病害虫の被害も出やすくなります。
養分が足りないと葉が黄色っぽく貧弱な姿になります。 これも病害虫 の被害を受けやすくなります。
生きている土が野菜を育てる有機栽培
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野菜に与える化学肥料土に与える有機質肥料
有機栽培では科学肥料を使わず、堆肥や有機質肥料などの有機物を利用して野菜を育てます。
科学肥料は水に溶けると植物の根からすっと吸収され、肥料効率がはやく現れるのが特徴です。
有機物は土壌微生物によって分解されてから、ゆっくりと肥料を効果を発揮します。有機栽培では土壌微生物が豊富に住む生きている 土を作ることが前提となります。
有機物はチッソ、リン酸、カリウム以外にも中量要素や微量要素を含んでいます。
適期栽培も前提で、地温が適温でないと野菜の生長だけでなく、土壌微生物の活動も鈍るからです。
化学肥料の場合は旬を外した野菜作りが可能です。
例えれば、化学肥料は野菜に与えるサプリメントで堆肥や有機質肥料は土に与えるご飯です。 もちろんご飯を食べるのは土壌微生物です。
【有機質肥料】
◎よく噛んで食べるご飯
・三要素以外にも様々な要素を含む
・野菜が吸収するには土壌微生物による分解が必要
・地温が低いと分解が遅い・旬に合わせた栽培が前提
【化学肥料】
○すぐにきくサプリメント
・チッソ、リン酸カリウムの3要素を含む
・水に溶けるとすぐに根から吸収される
・旬を外した栽培が可能
有機栽培と化学肥料栽培の違い
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根の量が違う
有機栽培の野菜は毛細根がビッシリ!
堆肥や有機質肥料で育てた野菜と、化学肥料で育てた野菜とでは、根の発達のしかたがまったく異なります。
有機栽培
土の中の薄い養分を必死に吸おうとして、根が長く伸びて、毛細根がびっしりと張ります。ただし、有機栽培でも、有機質肥料を大量に与えてしまうと根は発達しません。
化学肥料栽培
育てた野菜を引っこ抜いてみると根が太くて短く、毛細根はそれほど発達していません。 努力しなくても土の中には栄養がたっぷりあり、養分を吸えるため、野菜はサボって短い根になります。
葉脈の細かさが違う
有機質肥料で育った野菜の葉の葉脈は細かい
有機栽培
葉脈の細かさは根の細かさと関係します。 有機質肥料で育った野菜は葉脈が緻密になります。
化学肥料栽培
スーパーで売っているキャベツをひっくり返して見てみると、葉脈は異様に太いのに横に広がる葉脈は粗いものがあります。根と葉は繋がっているので、根が粗い野菜葉脈も粗くなります
生長スピードが違う
有機栽培はゆっくり育ってあとから追い付く
有機栽培
有機栽培では野菜の成長は初めのうちはゆっくりですが、最終的には追いついて収穫サイズに育ちます。
化学肥料栽培
化学肥料を使うと、野菜は最初の段階から早く大きく育っていきます。 肥料を効かせすぎると病害虫が多く農薬の使用を検討する状況になる可能性もあります。
野菜の葉色が違う
ゆっくり育った野菜は葉が淡い緑色
有機栽培
適切に栽培した有機野菜の特徴は葉の出方が規則正しく、左右対象の美しいシンメトリーを描いていることです。葉は淡い 緑色で畑の草と同じ色か、やや 緑が濃い程です。
有機質肥料で育てた葉物野菜の場合は茹でると淡かった葉色がさっと鮮やかな 緑色に変わり、野菜本来の味を楽しめます。
化学肥料栽培
葉の対称性は崩れやすく、葉の色は緑色が濃くなって黒みがかった 緑色になります。こういった葉色の濃い葉物野菜を茹でると茹で汁が黄緑色になり、茹で上がった野菜は色があせてしまいます。
野菜の保存性が違う
ゆっくり育った野菜の腐らずミイラになる
有機栽培
有機肥料でゆっくり育った野菜は日持ちするのが特徴。果菜類は簡単にはしびていけません。 葉物野菜はしなたように見えても水に浸すとピンと戻り、茹でて調理するとちゃんと歯応えがあります。これらの野菜を放置していくと、だんだん水分が抜けて、最後はカラカラのミイラのようになり、カビが生えても腐ることはありません。
化学肥料栽培
腐りやすいのは化学肥料で育った 野菜です。ナスでもピーマンでも放置しておくと腐って嫌な匂いがします。 この差は野菜の成長スピードと関係しています。 早く大きくなったものは、細胞と細胞の間が緩く、カビの糸菌や細菌に付け入れやすく、ゆっくり育った野菜はしまっていてガードが硬い特徴があるためです。
土の構造が違う
有機栽培の畑は団粒構造
有機栽培
有機栽培は、土の団粒化に必要な有機物が豊富で、団粒構造を形成しやすい特徴があります。また、団粒構造の土は乾きにくく、土は野山の土のような香りがかすかにします。これは放線菌が放つ香りで土に有機物が豊富に含まれて野菜を育てる土壌微生物が盛んに活動している証拠です。化学肥料栽培の畑はこうした匂いはしません。 有機栽培の畑で土が嫌な匂いがしたら、土の消化力を超えた量の堆肥や有機物を施したサインになるので、土作りを見直す必要があります。
化学肥料栽培
化学肥料と農薬を使用している畑はサラサラとした単粒構造になる傾向があります。単粒構造の土は乾きやすい性質があります。土の団粒化が進むために必要な有機物が乏しく、土壌微生物も少ない痩せた土で色は赤っぽいか白っぽくなるのも特徴です。
まとめ
化学肥料栽培はサプリメントのように速効性があり、野菜が早く育つが味が落ちる。
有機栽培は野菜のペースに合わせて育つため、おいしく美しい形に育つ。
有機栽培は、有機肥料が化成肥料よりも金額的に高いなどのデメリットもありますが、健康的でおいしい野菜をぜひ自分の手で育ててみたいものですね!
私は、有機栽培をベースに、夏場の生育が旺盛な時期に時々化学肥料を使うといった、化学栽培と有機栽培のいいとこどりをして家庭菜園を楽しんでいます。
みなさんも自分のスタイルにあった栽培方法を探してみてください!