家庭菜園を始めたいけれど、知らないことがたくさん…。
自分で野菜づくりができるか不安。
はじめは分からないことだらけでも大丈夫!
ここでは家庭菜園の初心者さんが知っておきたい知識を解説するよ!
土と植物の関係
家庭菜園を始めると、難しい言葉がたくさん出てきて、心が折れそうになりませんか?「団粒構造」「保肥力」「土壌微生物」…。
私も家庭菜園をはじめたての頃は知らないことばかりでした。ですが、一つずつ勉強していくと、「点」として学んだことがつながって、やがて大きな知識の「円」ができます。家庭菜園は奥が深く、学べば学ぶほどおもしもいです。
ここでは家庭菜園でも特に奥が深い「土と植物の関係」について解説します。
そもそも畑の土って何からできているの?
実は土には粘土や砂、植物の根や微生物など、さまざまな要素でできているよ!
畑の土を構成するもの
畑の土は主に次の5つのもので構成されています。
・無機物:無機物は、粘土、シルト、砂に分類されます。これらは、いずれももとは岩石で風化によって細かく砕かれたものです。無機物はその大きさによって、砂とシルトに分類さえます。そのうち粘土は風化の過程で溶け出した 成分(ケイ酸やアルミニウム)が再結晶化した微細な粒子のことをいいます。
・有機物:植物の根や土の中の生物の遺骸などのことをいいます。
・土壌生物:ダニやミミズなどの土壌動物と、バクテリアや菌類などの土壌微生物に分けられます。
・空気:特に、団粒構造の土であれば、団粒と団粒の隙間に空気が存在します。そのおかげで植物が呼吸でき、根も伸ばすことができるのです。空気が豊富な土は、酸素が好きな土壌生物も活発になります。
・水:団粒構造の土は、降った雨が土の粒に染み込み、水分をキープしています。 植物は根から水分を吸って育ち土壌生物も水分を得て活動できるようになります。
土と植物の関係
土と植物は、互いに密接な関係を持ち、植物の生育にとって不可欠な存在です。土は、植物と次のような関わりがあります。
・水を蓄え与える:植物は、光合成や細胞分裂などの生命活動に必要な水を土から吸収します。土壌に保水性があり、植物が必要な時に利用できるように水を蓄えます。
・養分を蓄え供給する:植物は、成長に必要な窒素、リン、カリウムなどの養分を土から吸収します。土には、これらの養分を蓄える保肥性があり、植物が必要な時に利用できるように養分を蓄えます。
・酸素を蓄え供給する:植物は、根から酸素を吸収して呼吸を行います。土壌には、小さな空間があり、ここに空気が蓄えられます。
・植物を支え:植物は、根を土に張ることで体を支えます。土壌には、根を固定し支える働きがあり、植物が倒れるのを防ぎます。
・微生物:土壌には、植物の生育に役立つ微生物が数多く存在します。これらの微生物は、有機物の分解をすることで、養分を植物が吸収できる形にします。微生物のフンや死骸も栄養になるなど、土の中の栄養分を循環させる役割があります。
よい土の3つの条件
・団粒構造
団粒構造とは、土壌粒子が小さな団粒と呼ばれる塊状に集まった構造です。団粒構造により、「水はけ」「水持ち」「通気性」に優れた土になります。
・適度な有機物と微生物の働き
有機物は、水持ちをよくし、保肥性、団粒構造の形成に役立ちます。また、有機物は土壌中の微生物の活動を活性化させ、土壌の健康状態を維持します。
・適度な酸度
土壌の酸性度(pH)は、植物の生育に影響を与えます。ほとんどの植物は、pH5.5~7.0程度の弱酸性の土壌でよく育ちます。
初心者が知っておきたい土づくり
野菜づくりで大切なことは「土づくり」
畑の土をいい状態にすることで、野菜が元気においしく育つよ!
土づくりの手順
土づくりは大まかに4つの工程にわかれます。
- 畑を耕す(植え付けや種まきの3~4週間前)
- 堆肥を入れる(植え付けや種まきの3~4週間前)
- 石灰資材を入れる(堆肥の1週間後)
- 肥料を入れる(石灰資材の1週間後)
土づくりは奥が深いので、詳しくはこちらの記事を読んでね!
3つの土の質
畑の土や庭の土は、地域や環境によって異なります。土の質は、大きく分けて3つの性質に分類されます。
サラサラとした「砂質の土」や、ずっしりと重みのある「粘土質の土」、野菜がよく育つといわれる団粒構造のある「壌土」。
これらの土は、野菜によっても好き嫌いがあります。ここでは、土質と野菜ごとの土作りのポイントについて解説します。
3つの土質
・砂質:水はけがよく乾燥しやすいが栄養分を蓄える力が弱のが特徴。
・壌土:はもっとも野菜が育ちやすい土。
・粘土質:は水はけが悪いが栄養分を蓄える力があるのが特徴。
土質の調べ方
土づくりが大切なのはよくわかったけれど、自分の畑の土の状態を見極める方法はあるの?
畑の土と自分の手があえば、簡単に畑の土の状態を知ることができるよ!
◎自分の畑の土が、「砂質」「壌土」「粘土質」のどれに近いのかを簡易的に調べる方法を紹介します。
必要なものは、自分の手と、適度に湿った畑の土だけです!
【手順】
①適度な湿り気のある土をこよりをつくるイメージで指でこねる
②その土がどのような状態になったか観察する
・粘土質→ こねると細い「こより」になる
・壌土→こねると太い棒になる
・砂質→こねてもバラバラになる
野菜と土質に合わせた土づくりの方法
畑の土や庭の土は、地域や環境によって異なります。
土の質は、大きく分けて3つの性質に分類されます。
サラサラとした「砂質の土」や、ずっしりと重みのある「粘土質の土」、野菜がよく育つといわれる団粒構造のある「壌土」。
これらの土は、野菜によっても好き嫌いがあります。
初心者の方は、一般的な土づくりを行うことをおすすめしますが、1年目で野菜づくりに失敗してしまった方や、自分の畑の土質が分かっているけれど、野菜ごとの対処が分からないかたは、こちらの記事にまとめたので、参考にしてください。
いい土の条件「団粒構造」
家庭菜園の初心者は、土作りが大切だと教えてもらうことが多いですよね。そこで、よく聞く「団粒構造の土」という言葉を聞いた瞬間、難しい!と感じてしまうことがあるかもしれません。
私も、家庭菜園を始めたばかりのときは、わからない言葉だらけだったので、よくわかります。
ここでは土の役割と団粒構造について解説します。
団粒構造とは
土壌粒子がくっついて、小つぶの粒子になったものを団粒(だんりゅう)と呼びます。 団粒構造とは団粒がさらにくっついて集合体となったものを指します。
団粒構造は、団子状になった大小の土の塊がバランスよく混ざり合っています。
団粒構造のメリット
・土の通気性と水はけがよくなる:団粒構造が土の中に大小の隙間を作り出すため、通気性と水はけがよくなり、植物が育ちやすい。
・水持ちがよくなる:団粒構造による隙間は、水分を溜め込む力があるため、必要な時に植物に水を与える役割がある。
・肥料もちがよくなる:団粒構造には、粘土や腐植が多く含まれているため、栄養分を吸着する力があり、肥料もちがよくなる。(CEC)
・根の発育がよくなる:団粒構造による隙間があることで、植物の根が伸びる空間が確保され、よく育つ。
・土の中の微生物が活発になる:土の中の微生物は、活動をするのに酸素を必要とするため、団粒構造による隙間があることで、微生物に酸素が取り込まれやすくなる。微生物が活発になると、有機物の分解が進んで、土が豊かになる。
団粒構造を作るためにすること
団粒構造かどうか、まずは自分の畑や庭の土を握って確認をしましょう。確認方法は、前項でも説明しましたが、以下の通りです。
【手順】
①適度な湿り気のある土をこよりをつくるイメージで指でこねる
②その土がどのような状態になったか観察する
・粘土質→ こねると細い「こより」になる
・壌土→こねると太い棒になる
・砂質→こねてもバラバラになる
【団粒構造の土】
団粒構造の土であれば、土はいい状態であるため、引き続き微生物のエサとなる有機物(堆肥や緑肥)を与えましょう。
【粘土質の土】
硬い塊となる粘土質の土であれば、ぎゅっとしまった土を柔らかくする必要があります。
しかし、粘土質は栄養分の多い土であるため、栄養分はさほど高くなく、微生物のエサになる有機物(腐葉土やもみ殻)を入れると団粒構造の土に近づきます。
【砂質の土】
握っても塊にならない砂質の土では、水はけがよく、微生物が有機物を分解するスピードが早いという特徴があります。
また、栄養分を蓄える力が弱い特徴もあるため、分解に時間がかかる堆肥(バーク堆肥や落ち葉堆肥)を利用しましょう。
◎上記を念頭に置き、共通する団粒構造を作るために必要なことを解説します。
- 有機物の施用: 堆肥や緑肥などの有機物を土に施すことで、土壌中の有機物量を増やし、団粒構造形成を促進することができます。
有機物は、微生物のエサとなり、微生物が活発に活動することで、粘着物質が分泌されます。
この粘着物質が、土壌粒子を接着し、団粒構造を形成します。 - 適度に耕す: 土を耕すことは、土の通気性や水はけを改善します。
しかし過度に耕すと、せっかくできた団子の粒を壊すことになり、団粒構造を破壊してしまう可能性があります。
畑を耕すときは適切なタイミングで適切な方法で行いましょう。 - マルチング: マルチングとは、土壌の表面をビニールやワラなおで覆うことです。
乾燥や風による土の粒子の飛散を防ぎ、団粒構造を維持することができます。 - 緑肥の栽培:緑肥とは、土を健康にするために育てる作物のことです。
緑肥は、土に有機物を供給し、土壌中の微生物活動を活発にする効果があります。
緑肥を栽培することで、団粒構造が作られるのを促進することができます。 - 土壌微生物の活性化: 土壌微生物は、有機物を分解し、粘着物質を分泌することで、団粒構造をつくります。
土壌微生物の活性化には、有機物の施用や適切なに土を耕し、土に酸素を供給することが有効です。 - 適切な水やり 適切な水やりは、土壌中の水分量を調整し、団粒構造を維持するのに役立ちます。
過度な乾燥や過湿は、団粒構造を破壊してしまう可能性があります。
その他
- 土壌のpHを適正な範囲に保つことも、団粒構造形成に重要です。
- 土壌の状態に合わせて、適切な方法で団粒構造を作ることが大切です。
土の中の微生物
野菜づくりをしていると、「土の中の微生物が大切」ということをよく耳にしますよね。とはいっても、微生物は目に見えるものではなく、何をしているものなのかイメージしにくいですよね。
ここでは、土の中に住む微生物(土壌微生物)について解説します。
土壌微生物の役割
土の中には、細菌、放線菌、糸状菌(カビ)、藻類など、多種多様な微生物が生息しています。
これらの微生物は、土の健康や栄養、作物の育ちやすさに重要な役割を果たしています。
土の中の微生物にはおもに4つの役割があります。
- 有機物の分解: 植物や動物の死骸などの有機物を分解し、植物が吸収できる無機物に変換する。
- 栄養素の循環: 有機物を分解することで、有機物に含まれる窒素、リン酸、カリウムなどの栄養素を植物が利用できる形に変えて再び植物に吸収されるといった循環の役割をする。
- 土壌構造の改善: 土の団粒構造を形成し、土壌の通気性や保水性を向上させる。
- 植物の病害虫の被害を抑える: 土壌微生物の中には、植物の病害虫を抑制する効果を持つものもある。
土壌微生物の増やし方
土壌微生物が作物を作るうえで重要な役割を果たしていることが分かりました。
そんな土壌微生物を増やしたい!と思いますよね。
ここでは、微生物の増やし方と注意点について解説します。
土壌微生物を増やす方法
- 有機物を施肥する: 土壌に有機物を施肥することで、土壌微生物のエサとなり、数を増やすことができます。有機物の種類としては、堆肥、緑肥、米ぬか、腐葉土などが効果的です。
- 緑肥を栽培する: 緑肥は、土壌に有機物を供給し、土壌微生物の活動を活発化させます。マメ科植物、イネ科植物、ソバなどが緑肥としてよく利用されます。
- 土壌を耕す: 土壌を耕すことで、土がふかふかになり、土壌中の酸素量が増え、土壌微生物の活動が活発になります。ただし、耕しすぎると土壌微生物の生存環境が破壊されるので注意が必要です。
- 輪作:輪作とは同じ作物を同じ場所で連続して栽培することです。輪作を避けることで、特定の土壌微生物が増殖するのを防ぎ、土壌微生物のバランスを改善することができます。
- 土壌微生物資材を利用する: 土壌微生物資材には、土壌微生物が含まれており、土壌に散布することで土壌微生物を増やすことができます。
堆肥
家庭菜園を始めようとして、土づくりの段階で、堆肥って何だろう…とつまづいていませんか?堆肥は簡単にいうと、野菜を育てるための土を健康的にするために用いる資材のことです。肥料は、土を健康にするよりも、直接野菜に栄養分を届けるイメージになります。
ここでは、そんな堆肥について種類や特徴をまとめました。
堆肥とは
落ち葉や雑草などの植物性有機物や、牛ふんや鶏ふんなどの動物性有機物を、一定の期間発酵させてつくった土壌改良資材のことです。
堆肥を畑に施すことで、堆肥をエサにする微生物の活動が活発になります。すると、土の団粒化が進み、水はけ・水もち・通気性のいいフカフカな土へと変わっていきます。
堆肥は、肥料に比べて養分は少ないですが、長期に渡って野菜に養分を供給します。
堆肥の種類
・植物性堆肥は、繊維質が多いが、栄養分が少ないため、土づくり効果がより高い。
・動物性堆肥は、栄養分が多く、一部の堆肥は肥料の目的としても利用できる。
堆肥で変わる土の性質
土壌微生物のエサになる堆肥は、土に混ぜると土壌微生物が増殖して土の団粒化が進み、穏やかに野菜に養分が供給される土になります。すると、野菜が健康に育つ畑へと変わります。
堆肥によって以下のように土の性質にいい変化が現れます。
・土の三相のバランスをよくする
土は固体部分と隙間でできています。
固体部分を固相と言います。
隙間には空気と水が存在し、空気の部分を気相、水の部分を液相といいます。
野菜にとって固相と隙間の割合は体積比で大体1対1が理想とされます。 そして隙間に存在する空気と水は半々の状態が好ましくこの環境でではよく発達し、野菜を育てる有用な土壌微生物も活発に活動します。
固相の量は畑によって決まっていて、変化はしないが、雨が多い時期には液相が増えて気相が減ります。逆に雨が少ない時期は液相が減って気相が増えます。
加湿状態では根の発達が妨げられ、病気や害虫の被害が多くなり、逆に乾燥状態では、野菜の根は水と養分を吸収しづらく、成長が鈍ります。
堆肥を施して団粒化を進めれば、水持ちと水はけの良い土となり、土の三層バランスが取れた理想的な土が出来上がります。
・堆肥を使うと土壌の酸度が中性に近づく
ほとんどの野菜は酸度(pH)6.0から6.5の弱酸性の土壌でよく育ちます。
ローム土や黒ボク土など火山灰土で何も野菜を作っていない土地は酸性を示します。
新規に畑を作る場合は土壌酸度を調べ、pHが低くて酸性土壌だとわかったら有機石灰を利用して中和するようにしましょう。
石灰資材を投入しすぎると、畑がアルカリ性に傾くことがあるため、有機石灰のすき込みは初回だけで十分なことも。
堆肥という有機質肥料を用いて野菜作りを始めると、土の酸度は自然に安定していくといわれています。
野菜は土壌酸度を自分好みに変える力を持っています。根の周りに共生する微生物がちょうどいい酸度に調整するため、いい土であれば、石灰資材を投入して、土の酸度を調整する手間もなくなります。
・堆肥を使うと保肥力が高くなる
野菜の健全な成長には、土の保肥力大きさも大切です。
保肥力の大小に関わるのは土に含まれる粘土の量です。 マイナス電荷の粘土は陽イオンで存在する、チッ素やリン酸などの養分を電気的に吸着する働きもあります。
粘土が多い土であれば、上記で述べた理由により、保肥力は高くなります。
有機物が土壌微生物に分解されてできた腐植も粘土同様に養分を電気的に吸着する働きもあります。
また、有機物を分解した土壌微生物の体は、チッソを始めとした養分も含まれます。この養分は、微生物が死んだ後に土の中に放出されて土の栄養になります。
粘土含有量は畑によって決まっています。 そこで、堆肥などの有機物を施して、土の団粒化を進めていくことが保肥力が大きい、肥沃の土作りの鍵となるのです。
石灰資材
野菜づくりでは、土の酸度も調整すると聞いたことはありませんか?
土の酸度を調整する資材も、沢山の種類があり、何をどう使ってよいのか迷ってしまいますよね。
ここでは、主に土の酸度の調整を行う石灰資材の種類と使い方について解説します。
石灰資材の役割
・土の酸度調整
日本は雨は酸性で、降雨量が多いことが特徴です。そのため、雨が降り注いだ畑の土は酸性になりやすい特徴を持っています。
また、アルカリ性の成分である、カルシウムやマグネシウムが雨水によって流れ出てしまうため、土が酸性に傾きやすい特徴があります。石灰資材を投入することで、土の酸度を調整する役割があります。
・カルシウムの補給
カルシウムは、植物を丈夫にし、根の発達を促す働きがあります。カルシウムが不足すると、植物が弱くなり、病害虫の被害に合いやすくなります。石灰資材を施すことで、土中のカルシウム量を増やし、植物の健全な生育を促進することができます。
・マグネシウムの補給
マグネシウムには、リン酸の吸収を助けたり、植物体内の酵素を活性化させたりする働きがあります。
石灰資材の種類
・苦土石灰(くどせっかい)
◎初心者さんは苦土石灰が一番扱いやすい
・pH調整と同時にカルシウムとマグネシウムの補給ができることが特徴です。
・じわじわと効いてくるため、施した後にすぐ植え付けても根を傷めませんが、pH調整の効果を上げるためには、植え付け10日ほど前に施しておくといいです。
・畑の状況にもよりますが、基本的には1㎡あたり100ℊ施します。
【向いている野菜】
特にジャガイモは、土がアルカリ性に傾くと皮の表面がザラザラしたかさぶた状になる「そうか病」を引きおこす可能性があります。
効果がゆるやかな苦土石灰・有機石灰や、中性の硝酸カルシウムなどを施用するほうが安心です。
・炭酸カルシウム(炭カル)
・石灰岩を砕いて粉にしたもの。
・酸性土壌や根が分泌する有機酸に溶けて、ゆっくりと効いてきます。効果がでるまでに時間がかかるので、種まきや植え付けは石灰を施してから10日ほどたってから行います。
・畑の状況にもよりますが、基本的には1㎡あたり100ℊ施します。
・消石灰(しょうせっかい)
・生石灰に水をかけると発熱しますが、その過程でできるのが消石灰です。すでに水と反応しているので、水をかけても発熱しません。
・殺菌力があり土の消毒効果が期待できます。
・ただし土の消毒目的で使用を続けると、土がアルカリ性に傾くため、消毒は太陽熱消毒などを行うほうがいいです。
・アルカリ性が強く速効性があるので、生石灰と同じように種まきや苗の苗の植え付けは、施してから2週間ほどたってから行います。
・畑の状況にもよりますが、基本的には1㎡あたり100ℊ施します。
酸性土壌が苦手なほうれん草やえんどう豆、アスパラガスなどは、pH6.5~7.0の微酸性~中性にします。
速やかに土壌酸度を調整したいときはアルカリ性の強い消石灰を用いることも検討します。
ジャガイモやサツマイモなどはの酸性の土を好む野菜は、強いアルカリ性の石灰資材を使うのは避けましょう。
・カキ殻
・カキ殻の塩分を取り除き、乾かして砕いたものと、高温で焼いたものがある。
・畑の状況にもよりますが、基本的には1㎡あたり200ℊ施します。
・貝化石
・海中の貝殻などが地殻変動の影響で化石化し、地中に堆積することでできた貝化石を砕いたもの。
・畑の状況にもよりますが、基本的には1㎡あたり200ℊ施します。
有機栽培をしたい方にはおすすめですが、価格が高いというデメリットもあります。
石灰資材の施し方
植物の多くは、微酸性~弱酸性の土壌を好みますが、中には酸性の土を好むものや酸性でも十分育つものがあります。育てる作物の種類や土のpHの値によっては、必ずしも石灰資材を施す必要はありません。土の状態に応じて石灰資材を使用しましょう。
①種まきや苗の植え付けの2週間前に投入の目安です。強いアルカリ性の生石灰や消石灰は施してからすぐに植え付けをすると根を傷めてしまいます。炭酸カルシウムや苦土石灰は、効果が出るまでに時間がかかってしまうため、約2週間前に投入します。
②植物によっても好みのpHは異なるため、育てるものに合わせてpHを調整します。
③石灰資材を施したらよく土と混ぜてください。石灰がかたまっていると、植物の根に害を与えることがあります。
石灰資材の使いすぎに注意
やみくもな石灰資材の投入は、土のアルカリ化を引き起こします。土がアルカリ性に傾くと、もとに戻すのは酸性に傾いたときよりも難しいです。適切な量を使用するために、酸度測定器などの利用をおすすめします。
有機質肥料
家庭菜園をする方は、有機栽培にチャレンジしてみようと思ったことがある方は多いのではないでしょうか。
ここでは、有機栽培で使用できる、有機質肥料の種類と特徴について解説します。
有機質肥料とは
- 米ぬかや油かすなどの有機物でつくられた肥料のこと。
- 堆肥だけでは不足する養分を補う目的がある。
- 効き出しが遅いので堆肥と共に早めに施しておくことがポイント。
【元肥向き】ゆっくり効く有機質肥料
・施してから2〜3週間後に植え付ける。
・肥料効果が穏やかにじわじわ出る。
・油かす:ナタネ油やコーン油など搾りカス。チッソが豊富に含まれているのが特徴。あらゆる野菜に使える。
・米ぬか:精米のときに出るカス。最も安価で手に入りやすい。マグネシウムや鉄分なども含んでいる。
【追肥向き】 速く効く有機質肥料
・発酵済みなので肥料効果が速やかに出る。
・すき込んですぐに植え付けられる。
・発酵油かす:油かすを発酵させたチッソ主体の肥料であらゆる植物に利用できる。
・発酵鶏ふん:鶏ふんを発酵させたもの。リン酸が豊富で果菜類に利用すると実つきがよくなる。
・ぼかし肥料:油かす、魚かす、米ぬかなどの数種類の有機物をブレンドして発酵させた 肥料。肥料堆肥だけでは不足する養分を補うのに使う。
肥料の量は年々減らしていく
野菜作りで避けたいのが必要以上の堆肥や肥料を施すことです。足りなくても問題ですが、入れすぎた堆肥や肥料はすぐに抜くことができません。
土の中の微生物が持つ消化能力を超えて、畑に養分を与えると野菜に病気や害虫の被害が多くなることもあります。
緑肥作物
家庭菜園で、食べる目的以外に育てる植物があると聞いたことはありませんか?
ここではそのうちの一つである「緑肥作物」についてまとめました。
緑肥作物は、庭や畑などある程度の広さのある場所で家庭菜園を行っている方が育てるのに向いている植物です。
緑肥作物は、市民農園やシェア畑などの小さい畑を借りている場合はスペースが限られているため育てることが難しいと思いますが、育てることはできなくても、緑肥作物について知るきっかけになれればと思います。
緑肥とは
緑肥(緑肥)とは、植物そのものを肥料として利用することをいいます。
食べる目的ではなく、肥料の材料として育てたり、土壌改善や病害虫予防に役立てるために使われます。
緑肥作物には、おもにイネ科やマメ科の植物が使われます。
土を耕やす イネ科の緑肥作物
イネ科中でも手に入りやすくてよく利用されているのが、エンバクやライ麦ソルゴーです。
イネ科の作物を育てると土がふかふかになります。
- イネ科の緑肥作物は広く浅く根を張る。
- 根によって土が細かく砕かれ、土が自然に耕された状態になる。
- 植物を刈り取ったあとの根を微生物が分解すると、適度な隙間ができて水はけや通気性のいい土になる。
土を肥やすマメ科の緑肥作物
マメ科の緑肥作物の特徴は土を自然と肥やす力があること。
マメ科の植物の根には、よく見ると数ミリの小さな粒がついています。
この粒は、「根粒菌」と呼ばれるもので、その中には空気中の窒素を固定する菌が住んでいます。
マメ科の植物を育てると、痩せた土であっても、空気中の窒素が取り込まれるため、次第に土が肥沃になり、野菜がよく育つ畑と変わっていきます。
また、マメ科は土の水はけをよくする働きもあります。
深根性といって太い根を深い位置に根を伸ばす性質があり、 特にセスバニアはマメ科の中でも大きく育ち、草丈と同じくらい太い直根が地中に深くまで伸びるといわれています。
水はけの悪い場所で大きく育てると土が硬くしまった深い層にも穴を開け、水はけがよくなります。
こうして根によって穴は、一度開くと 5〜6年塞がらないともいわれています。
- マメ科の植物は根粒菌の働きにより、空気中の窒素分を根に蓄えることができる。
- 痩せた土でもマメ科の植物を育てることで次第に野菜が育ちやすい土になる。
- マメ科の根は太くて長いため、硬い土にも穴をあけ、土の水はけがよくなる。
畑をリセットする緑肥作物
緑肥作物には、肥料をたくさん吸う性質があり、肥料を与え過ぎて養分過多になってしまった土や化学肥料を使っていた畑をリセットすることができます。
- 緑肥作物は肥料をたくさん吸うため、養分過多になった土や化学肥料を使っていた土の肥料分を吸うが、カルシウムやカルシウムなど、一部の養分を吸収できない欠点もある。
- 養分過多の畑や化学肥料をリセットする場合は、緑肥作物よりも「ソバ」と「ひまわり」の組み合わせで育てるといい。
- 化学肥料を使用した畑で育てた作物も堆肥として利用することは可能。
緑肥作物の活用法
緑肥作物の根をそのままにしておくと、「根が土を耕す」効果があることを説明しました。
ここでは緑肥作物を育てて刈り取った部分(茎や葉)の活用方法を解説します。
- マルチに利用する
- 肥料として利用する
- 堆肥として利用する
- 風よけ・虫よけになる。
卵の殻でつくる手づくり肥料
家庭菜園で気になるのが、肥料などのランニングコスト。
自宅にあるものを有効活用して野菜の肥料を作れないかなと考えたことはありませんか?
実は、「卵の殻」で手軽に肥料が作れるんです!
卵の殻を洗って、薄皮を取ってよく乾燥させて軽く砕けば手作り肥料のできあがりです!
たまごの殻の肥料とは
卵の殻の肥料とは、その名の通り、卵の殻を砕いて作った肥料のことです。
本来であれば捨ててしまう卵の殻は家庭菜園では貴重な肥料になります。
たまごの殻の主な成分「カルシウム」
たまごの殻の主な「炭酸カルシウム」です。
カルシウムは植物にとって重要な栄養素で以下の働きがあります。
- 細胞膜を丈夫にして病害虫から身を守る力をつける
- 光合成をおこなう
- 栄養素を運ぶ
- 根の生育を促進する
カルシウムが不足するとどうなるか
カルシウムは植物にとって欠かせない栄養素であることが分かりました。
カルシウムが不足していると次のような症状が現れます。
- 新芽や根の発育が悪くなる
- 例としてトマトの尻腐れ症や白菜の芯腐れ症がある
卵の殻のその他の成分
卵の殻には、カルシウム以外に窒素・リン酸・マグネシウムなどを含んでいます。
これらの栄養素も植物の生長には欠かせないものです。
卵の殻肥料の作り方
卵の殻肥料の作り方はとっても簡単です!
- 使い終わった卵の殻を水洗いする
- 卵の殻を干して完全に乾燥させる
- 卵の殻を細かく砕く
卵の殻の肥料の使い方
卵の殻の肥料は、主に2つの使い方があります。
- そのまま土に混ぜ込む
- 植物の根元に撒く
生ゴミ堆肥
ホームセンターに売っている重たい堆肥。買い物にはお金もかかるし、運ぶのも大変ですよね。
堆肥を自分の畑で作れたらいいのに!と考えたことはありませんか?
実は、畑で生ゴミを使って簡単に堆肥を作れる方法があるです!
ここでは、いろいろある堆肥づくりのうちの「土に埋めるだけ」という方法について教えます。
捨てるはずであった生ゴミを有効活用でき、環境にも優しく、お財布にも優しい堆肥が作れ、野菜をより元気にすることができます。
生ごみ堆肥のメリット
- 生ゴミが減る
- 環境にやさしい
- 畑の野菜が元気に育つ
- 節約になる
堆肥として利用できる生ゴミ
- 野菜くず(野菜の切れ端やワタなど)
- 果物
- お茶のだしがら
- コーヒーかす
- 卵の殻
- ごはん
- パン
- 麺類
堆肥として利用できない生ゴミ
- 肉
- 骨
- 乳製品
- 調理された食品
- 油が多量に含まれたもの
- タケノコの皮
- トウモロコシの皮
- 腐ったもの
- カビが生えたもの
生ゴミ堆肥の作り方
生ゴミ堆肥の作り方はたったの6ステップ!
- 堆肥づくりに利用できる生ごみをキッチンの三角コーナーにためる(目安は1週間分)
- 畑に穴を掘る(生ゴミが入るくらい)
- 掘った穴に生ゴミを入れる
- 生ゴミと土を軽く混ぜる
- 土をかぶせて埋める
生ゴミを土に埋めた後は、夏場は1か月、冬場は2~3か月を目安に掘り返して確認しましょう。
生ゴミの原型がほぼなくなっていれば、分解された証拠です。
生ゴミ堆肥を作るときのコツ
- 分解できないものを入れない:いつまでたっても分解されず堆肥にならない。
- 分解しにくいものを入れない:分解に時間がかかる。
- 大きいものは小さく切ってから使う:小さいもののほうが早く分解される。
- 水分はしっかり切ってか使う:余分な水分は腐敗やカビの原因になる。
- 腐ったものは使用しない:悪臭が虫が発生する原因になる。
生ゴミ堆肥を作る場所
生ゴミ堆肥を作る場所、つまり生ごみを埋める場所は、作物を育てていない空きスペースで行います。
広い庭や広い畑を持っている人であれば、場所には困らないと思います。
市民農園やシェア畑を利用している場合は、自分が使えるスペースは限られています。
このような場合は、畑の隅に埋めたり、畝と畝の間の通路で堆肥づくりをすることをおすすめします。
ただし、ナスなどの根が広範囲に広がる野菜は、通路まで根が伸びた時に根を傷める可能性があるため注意しましょう。
生ゴミ堆肥を作りたいからといって共用スペースや共用の通路、隣の畑に生ごみを埋めることは厳禁です。
堆肥になる期間
気温が高いほど、微生物は活発になり、気温が低いほど微生物の活動性は低くなります。
生ゴミの堆肥化にかかる期間は、夏場は1か月、冬場は2~3か月が目安になります。
残渣とは
家庭菜園でを始めたばかりの初心者さんは、本やインターネットで情報を得るたびに知らない言葉が多すぎてびっくりしていませんか?
私も家庭菜園を始めたばかりのころは、毎日のように知らない言葉を調べては勉強をする繰り返しでした。
そんな初心者さんでも大丈夫です!
ここでは、家庭菜園の初心者さんがよく耳にする「残渣(ざんさ)」とは何かについて分かりやすく解説します。
ここで解説する「残渣」は、畑やベランダ栽培などの家庭菜園で使用する言葉を説明します。
※食品や飲料・医療の分野でも使われる言葉ですが、今回はこの分野の言葉の解説は省きます。
残渣(ざんさ)とは
野菜のつる、茎、葉や、虫や病気の被害を受けた植物、大きさや形が悪く食べられない部分、もともと食べることができない部分のこと。
つまり、野菜づくりをして、実際に食べる部分以外は「残渣」になります。
例えば、トマトやナスの実以外の部分や、白菜やキャベツの外葉、病気になって引っこ抜いた野菜の株全体などがあげられます。
このように、野菜づくりにおいて「ゴミ」になってしまう部分なので、「野菜くず」と表現されることもあります。
残渣処理とは
残渣(野菜くず)を畑から取り除いてごみとして処分したり焼却すること、または堆肥として再利用すること
つまり、残渣処理とは、畑で出た野菜くずを、「ゴミ」として燃やして処理するか、「堆肥(たいひ)」としてリサイクルするといった2つの方法があります。
①ゴミとして処分する
野菜くずを「燃えるゴミ」として捨てる方法。
【例】
・ベランダのプランター栽培で、余分な葉や収穫し終えた野菜の株を「燃えるゴミ」として処分する。
・市民農園や貸し畑での野菜づくりで、野菜くずを捨てる設備がない場合、野菜くずを自宅に持ち帰り「燃えるゴミ」として処理する。
②堆肥(たいひ)として利用する
堆肥(たいひ)とは
家畜のふんや落ち葉などの有機物を微生物が分解・発酵したもので、土の性質をよくするために利用されるもの
野菜くずにひと手間加えて、野菜づくりにいい土を作るための材料を作るイメージです。
市民農園などの畑を借りている場合は、自分の畑に余っていることろがあれば、そこに穴を掘って埋めておくだけでも数か月後には「堆肥」ができます。
有機質野菜がおいしい理由
有機栽培の野菜はおいしいイメージがありますよね!
手軽に育てられる化学肥料栽培とは何が違うのか疑問に思ったことはありませんか?
ここでは、有機栽培の野菜がおいしい理由を、化学肥料栽培との違いも踏まえて解説します!
結論
化学肥料栽培はサプリメントのように速効性があり、野菜が早く育つが味が落ちる。
有機栽培は野菜のペースに合わせて育つため、おいしく美しい形に育つ。
有機栽培とは
有機栽培とは、化学的に合成された肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使わなず、環境にやさしい方法で栽培を行う方法です。
有機栽培は、おいしく安全な野菜であるだけでなく、自然の力を利用した環境にやさしい方法で栽培されています。
有機栽培の定義
農林水産省による有機栽培の定義は以下の通りです。
・化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
・遺伝子組換え技術を利用しない
・農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する
農業生産の方法を用いて行われる農業です。
※農林水産省ホームページより引用
有機肥料と化学肥料の違い
化学肥料栽培はサプリメントのように速効性があり、野菜が早く育つが味が落ちる。
有機栽培は野菜のペースに合わせて育つため、おいしく美しい形に育つ。
有機栽培は、有機肥料が化成肥料よりも金額的に高いなどのデメリットもありますが、健康的でおいしい野菜をぜひ自分の手で育ててみたいものですね!
私は、有機栽培をベースに、夏場の生育が旺盛な時期に時々化学肥料を使うといった、化学栽培と有機栽培のいいとこどりをして家庭菜園を楽しんでいます。
畝立て
畑を借りて家庭菜園を始めようと思った時に、野菜を育てる前の工程がとても多いことに気付きますよね。
土づくりをしたり、畝をつくったり、マルチングしたり意外と大変です。
今回は、畝の役割やつくり方やつくり方のポイントを解説します。
畝とは
畝(うね)とは、畑で野菜などの作物を栽培するために、土を細長く盛り上げたものです。
土の水はけをよくしたり、作物の根を張りやすくする目的があり、野菜を育てるためのベッドのような役割があります。
畝立て(畝づくり)とは
野菜を育てるベッドとなる「畝」をつくることをいう。
畝の役割
畝にはさまざまな役割があります。
畝の高さによっても役割は変わりますが、ここでは一般的な畝の役割を解説します。
・作物の根が張るスペースを十分に確保できる
特に作物が根を張れないほど硬い層が、土の浅い位置にある畑では、畝を立てることで、作土層をとよばれる野菜の根を張るためのスペースを十分に確保することができます。植物は、水分や栄養分を根から吸収するため、根がしっかり張れると植物も健康的によく育ちます。
・水はけと通気性が向上する
水はけの悪い粘土質の畑や地下水位が高い畑では雨が降ると水浸しになりがちです。
こうした畑では高めの畝を立てることで、水はけと通気性をよくします。
畝を高くすることで、畝から水が抜けやすくなり、過湿が防げます。 それと同時に土の中に新鮮な空気が入りやすくなり、作物が健康的に育ちます。
・土が温まる
畝を立てると地温を高めることができます。
土を盛り上げると太陽熱を受けやすいため、畝が温まり、野菜の生長が促されます。
・土壌微生物が活性化
畝の上に新鮮な空気、適度な 水分、温度が確保されると土の中の微生物が活動するのに適した環境になります。
微生物が活発になると、有機物が速やかに分解され、作物が吸収できる栄養分が土の中に増えます。すると、作物は養分をスムーズに得られるため、よく育ちます。また、微生物の働きにより、土の団粒化も進みやすくなります。
・作業性が良くなる
作物を育てるスペースと歩く通路の区別をはっきりすることができるので、野菜の世話がしやすくなります。 また、区画分けができるため、毎年の栽培計画も立てやすくなります。
畝立ての方法
【事前の準備】
・土づくりを済ませておく
必要なもの
・クワ
あると便利なもの
- メジャー(畝幅などを図れるものがあれば代用し可)
- ヒモをくくりつけた棒
- レーキ
- プラスチックのパイプ(直径6〜7cm、長さ60〜70cmの塩化ビニール製のパイプが適している。代用として使い捨てでラップの芯も使える。)
畝立ての手順
- 畝をつくるところに印をつける短い畝であれば、クワの刃の角を使って土に印をかく長い畝を作る場合は棒にヒモをくくりつけたものを用意し、目印として使うとまっすぐな畝が立てられる。
- 目印の内側にクワで土を移動させる。
- この作業を繰り返して作りたい高さまで土を盛り上げる
- 盛り上げた土の表面をレーキでならす。ない場合はクワの刃の側面を使って土を平らにならす。
- 手元にあれば、さらにプラスチックのパイプを使って畝を平らに綺麗にならす。
- 小石や土の塊りが出てきたら取り除き、隙間ができた畝の表面に土を足しパイプでならす。
- 畝の側面をクワの平面や手を使って押し固める。
- 畝の完成!
畝立てのコツとポイント
畝はまっすぐで表面が平らが理想
まっすぐな畝は見た目がいいことに加えて、その後のマルチングや植え付けも行いやすいです。
土の表面を平らにする理由は、畝にでこぼこがあると、へこんでいる 部分に水がたまり、過度に湿った状態になります。 それにより、生育不良や害虫が発生する原因になります。
発芽が揃わず、成長にばらつきが出る原因になります。生長にばらつきがでると、弱い株は枯れてしまったり、病害虫の被害を受けやすくなります。
畝の周囲の角度
シートマルチを利用する場合は、畝の周囲は斜め45度にすると、マルチが張りやすく、剥がれにくくなります。
マルチング
マルチングにもさまざまな種類があって何を使ったらいいか悩んでいませんか?
初心者さんにおすすめのマルチング資材は「黒のビニールマルチ」です!
マルチング資材には、それぞれ特徴がありますが、黒のビニールマルチを使えば、家庭菜園でほしいおおよその機能をカバーすることができます。
しかし、その他のマルチング資材の機能も気になりますよね!
今回は、マルチング資材の種類や特徴、使用方法について解説します。
マルチングとは
マルチングとは、畑や花壇などの土の表面を、有機物やシートなどで覆うことです。
マルチングは雑草の抑制や土の乾燥の予防などを目的に行われます。
マルチングの効果
- 雑草の抑制
- 土の保湿
- 病害虫の被害を抑える
- 土と肥料を保護する
マルチング資材の種類と特徴
マルチング資材には、「マルチシート」と「有機物マルチ」の2種類あります。初心者さんにオススメのマルチング資材は黒のビニールマルチです。
【マルチシート】
ビニールの素材でできたマルチング資材です。
マルチシートを土の表面に敷いて利用します。
一般的によく利用されるのは、黒のビニールマルチです。
・黒マルチ
◎マルチング選びに迷ったら「黒マルチ」を購入すれば間違いなし!
◎オールシーズン利用できる。
・一般的に利用されるマルチング資材で、穴あきや穴なしなど種類が豊富。
・太陽の光を吸収するため保温効果が高い。
・遮光効果が高く雑草の予防になる。
・泥はねを抑えるため、病害虫の予防になる。
・夏場はマルチングに近い作物が焼けることがあるので注意する。
・オールシーズン利用できる。
・シルバーマルチ
・透明マルチ
【有機物マルチ】
有機物マルチは、植物の残渣や堆肥などの有機物を土の表面に敷き詰める方法です。
有機物は土の中の微生物のエサになるため、土を豊かにし、環境にも優しい利点がります。
- ワラ
- 雑草
- もみ殻
- ウッドチップやバークチップ
マルチシートの敷き方
マルチングを敷く前に、まずは「土づくり」や「畝立て」を済ませておきましょう。
マルチシートは風の少ない日中に敷くのがおすすめです。
風が強いと、マルチシートが風でなびいてしまい、作業が大変です。
【事前に準備しておくこと】
・石灰や堆肥や元肥を混ぜておき、土づくりを行い、畝立てまで済ませておく。
マルチシートを敷くのに必要なもの
・マルチシート
・クワ
・マルチ資材の穴あけ器かハサミ
※あると便利なもの
・レーキ(畝を平らにならす。クワの刃の側面で代用してもよい)
・マルチ押さえ(マルチシートを張るときに仮止めとして利用する。ない場合は土をかぶせて代用してもよい)
マルチシートを敷く手順
- 畝をクワやレーキなどで平らにならす
- マルチシートのすそを埋めるための溝を畝の周りに作る。(クワで掘る)
- 畝の端から20㎝程度マルチシートを余分に出して、マルチ押さえで固定する。(土をかけて固定してもよい)
- マルチシートを反対側の畝の端まで伸ばして、同様に畝より20㎝余分に残してビニールマルチを切る。
- マルチシートになるべくしわがないよう、ピンと引っ張って仮止めするか土をかけて固定する。
- 畝をまたぐように立ち、マルチシートの両サイドを足でピンと伸ばすように張りながら、両サイドにクワで土をかぶせて固定する。
- 両サイドとも土で固定したら、マルチシートが浮かないように畝の周りを足で土を踏み固める。
- 穴が開いていないマルチシートの場合は、作物に適した間隔で、専用の穴あけ器かハサミを使って穴をあける。
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種まきの方法
「種まき」と聞くと、土に種を埋めるだけ!と簡単なイメージがあるかもしれませんが、実際に種をまいてみると、芽が出なかったり、うまく育たなかったりと意外と難しさを感じますよね。
今回は、畑に直接種をまく「直まき」を中心に基本的な知識や、種まきのコツについて解説します。
発芽に必要な条件
種が目を出すためには、以下の3つの条件が必要です。
- 水
- 温度
- 酸素
「直まき栽培」と「移植栽培」
種まきには、種を直接畑にまくか、ポットなどで育てるかによって2つの方法に分かれます。
・直まき栽培:作物を育てる畑や庭の土に直接種をまくのが直まきです。
ニンジンやダイコンなどの根菜類は、植え替えを嫌う野菜であるため、畑に直接種をまく直まき栽培が向いています。
・移植栽培:ポットなどで苗を育ててから植え替えを行うのが移植栽培です。
すじまき
すじまきとは
畝に対して列を作って種まきをする方法。
一本の畝に対して一列の種をまくことを「一条まき」、二列まくことを「二条まき」と呼びます。
【すじまきに適した野菜】
・ホウレンソウ・コマツナ・ミズナ・シュンギク・ニンジン・ゴボウなど
すじまきの手順
- 平らにした畝に種をまく溝をつくる。
支柱を横にして土に押し付けると簡単に溝をつくることができる。ない場合は、指で均一な深さになるように溝を掘ってもよい。 - 溝に種をまいていく。
種と種の間隔は1㎝が基本。購入した種の説明を読み、作物ごとに適した間隔で種をまく。 - 種をまいた溝に土をかぶせる。
- 種をまいた部分を手のひら全体を使って上から軽く抑える
- 必要に応じて水やりをする。
点まき
点まきとは
種を均等間隔に1粒~数粒ずつまく方法。
【点まきに適した野菜】
・ダイコン・ハクサイ・トウモロコシなど
点まきの手順
- 畝の中心に20~30㎝間隔で深さ1~2㎝の穴をつくる。
種を植える穴がそれぞれまっすぐに並ぶように、ヒモなどを張って目印にすると作業しやすい。
穴をあけるのは、空き瓶の底や空き缶の底を使うとうまくできる。 - 穴の中に種を5粒程度まく。
育てる作物の種の説明を読み、適切な数の種を植える。 - 穴に土をかぶせる。
- 土をかぶせた部分を手のひら全体を使って軽く押さえる。
- 必要に応じて水やりをする。
ばらまき
ばらまきとは
種を畑などに均一に散らばらせてまくこと。
【ばらまきに適した野菜】
・ホウレンソウ・コマツナなど
ばらまきの手順
- 畝の上から、均等になるようパラパラと種をまく。
- 種が隠れる程度に土をかける。
- 手のひらやクワの刃などを使って、畝の表面全体を軽く押さえる。
- 必要に応じて水やりをする。
種まきのコツと注意点
- 畝を平らにして種まきの溝の深さを一定にする
- 種をまいたあとに土を鎮圧する
- 水のやりすぎに注意する
- 適地適作を心がける
- 適切な方法で種まきをする
苗の選び方
家庭菜園を始めよう!と意気込んだけれど、ホームセンターに行ったらどの苗が元気なのかわからなくて困ったことはありませんか?
同じ種類の苗がたくさんおいてあるホームセンターや園芸店では、正直、どれも同じように見えてしまい、いい苗を見抜くことは難しいですよね。
しかし、野菜づくりをするうえで、いい苗を選ぶことはとても重要です。
いい苗を選ぶことで、作物が元気に育ち、収穫量もアップします。
逆に、元気がない苗を選んでしまうと、病気や害虫の被害にあいやすく収穫量が減ってしまうこともあります。
今回は、野菜苗を選ぶポイントについて詳しく解説します。
苗には2種類ある
・実生苗:種から育てられた苗。接ぎ木苗より安価。
・接ぎ木苗:苗の一部を切って別の苗をつなぎ合わせたもの。病害虫に強く収穫量が多い。やや高価。
苗を選ぶポイント
【よい苗の特徴】
- 葉は、緑色が濃く、厚みとつやがあり、葉焼けや虫食いがない
- 茎は、太くしっかりしていて、倒れていないもの
- 根は、白く適度にポットの底から根が出ている
- 茎の葉と葉の間がつまったもの
- 病害虫の被害がないもの
【悪い苗の特徴】
- 茎の葉と葉の間が長くひょろひょろと伸びている→日照不足
- ポットの底穴からぎっしり太く長い根が飛び出し、黄色っぽい色をしている→苗が老化している
- 葉が落ちたり、黄色くなっている→植え付け後も根付きにくい
苗の植え付けのポイント
畑や庭で野菜を育てるぞ!と意気込んで野菜の苗を購入したけれど、植え付けの時期や方法が分からない!という方はいませんか?
野菜づくりの初心者さんは、何となく作業はイメージできても、具体的に何を準備すればいいか、気を付けたらいいかポイントが分からないと不安ですよね。
ここでは、野菜の苗を畑や庭に植え付ける時期やポイントについて解説します。
この記事を読むことで、苗を植え付ける前に準備することや、植え付けの方法が分かり、実践に移せるようになります。
結論は、苗の植え付けは十分に暖かくなってきたゴールデンウイーク頃がいい。
苗の植え付けの2週間前までに土づくりを終わらせておく必要がある。
苗は丈夫なものを選び、夏場は晴天の午前中に、冬場は曇りの日の夕方に植え付けを行うとよい。
植え付けに必要なもの
【苗の植え付けに必要なもの】
- 野菜の苗
- メジャー
- マルチングに穴をあけるもの
- スコップ
- ジョウロ
- 支柱
- 紐
植え付け手順
①植え付けの朝にポットに水やりをする:水やりをしておくと、根付きがよくなります。
②野菜を植え付ける間隔を決める:作物にはそれぞれ栽培に適した間隔があり、株の間隔を「株間」、列の間隔を「条間」と呼びます。
③マルチングに穴をあける:穴あきマルチを使用する場合と、マルチングをしない場合はこの作業は不要です。
④植え付け用の穴を掘る:マルチングに穴をあけた部分に10㎝程度の深さの穴を掘ります。
⑤穴に水を入れる:10㎝程度の深さに掘った穴にジョウロで水をたっぷり入れます。
⑥苗を取り出す:苗を手に取り、苗の株元(土に近い部分)を片手でそっと持ちます。ポットを逆さにして、ポットの底穴を軽く指で押し、根鉢を傷めないようにポットから苗を取り出します。取り出した苗を先ほど掘った穴のに置きます。
⑦苗を植える:植え穴に入れた苗の株元が地表に来るように高さを調整します。
⑧苗を支柱に固定する:トマトやナスのように背が高い野菜は支柱を立てて固定します。
植え付けのポイント
- 事前に土づくりを済ませておく→土づくりは野菜づくりの基本。
- いい苗を選ぶ→健康的な苗は育てやすく、収穫量も多くなる。
- 苗は適切な時期に植える→寒すぎると苗が弱ってしまう。遅すぎても十分に生長しないため、収穫量が減る。
- 植え付け前に苗に水を与えておく→ポットから苗を取り出しやすくなり、根を傷めるリスクが減る。植え付け後の根の活着もよくなる。
- 適切な株間をとって苗を植える→密集すると、風通しが悪くなり病害虫の被害を受けやすくなる。栄養分を奪い合い、収穫量が減ってしまう。
- 背が高い苗は支柱で固定する→根の活着がよくなる。苗が折れるのを防ぐ。
水やり
野菜づくりを畑でやってみようと思ったけれど、毎日畑に行けなくて、水やりが心配。あまりにも頻繁に水やりをしないとならないなら、畑はあきらめようかなと思っている方はいませんか?
ここでは、家庭菜園での野菜づくりを、畑を借りて行う場合の水やりの頻度や考え方、ポイントについて解説します。
結論は、畑での野菜栽培は基本的に自然の雨に頼るため、水やりは不要。
ただし、猛暑日が続いたり、雨が全く降らない場合は、毎日水やりをしなければならない場合もある。
水の与え過ぎは、根腐れなどのトラブルの原因にもなるため、適度な水やりが必要。
水やりの頻度は作物や環境によってことなるため、一言で正解を言い表すのは難しい。
水やりとは植物に水をを与えること
水は植物が生きていくために欠かせないものであり、光合成や栄養分の吸収、体温の調節など、さまざまな役割を果たします。
水やりが多すぎて生じる問題
・根腐れ:根腐れとは、植物の根が酸欠や菌の影響で腐ってしまうこと。水やりが多すぎると、植物の根は水に溺れてしまい、酸欠となって腐ってしまいます。根腐れが進行すると、収穫量が減ったり、植物が枯れてしまうことがあります。
・味が落ちる:水を与え過ぎると、収穫した野菜が水っぽくなり、味が落ちることがあります。例としてトマトは糖度を上げるため、あえて水を少なく与えることもあるくらい、水やりは重要な要素となります。
・病害虫の発生:水を与え過ぎて、土が常にジメジメしている状態になるとカビや菌類などの病害虫の被害を受けやすくなります。
水やりが少なすぎて生じる問題
・水分不足:水不足になると、野菜は光合成に必要な水分を吸収できなくなり、成長が阻害されます。水分不足を放置しておくと、最悪枯れてしまうことがあります。
・植物がしおれる:水不足になると、野菜の葉や茎がしおれて元気がなくなります。
・味や食感が悪くなる:水不足になると、野菜の味が薄くなったり、食感が悪くなったりします。特に多くの水を必要とするナスやキュウリなどは影響を受けやすいです。
・収穫量の減少:水不足になると、野菜の成長が阻害され、収穫量が減少します。
水やりをする目安
・土の表面が乾いたとき:土の表面が乾いていたら、土を2~3㎝軽く掘ってみます。表面が乾いてても土の中が適度に湿っていれば水やりは不要です。
・葉がしおれたとき:葉がしおれてくるのは、植物が水分不足になっているサインです。
水やりをするタイミングの基本
朝晩の涼しい時間帯
水やりの時間帯は、朝晩の涼しい時間帯が最適です。
日中に水やりをすると、水が蒸発してしまい、植物が水を吸収しにくくなります。
暑すぎる、寒すぎる環境での水やりは、植物の根を傷める原因となり、植物の発育が悪くなるなどの影響があります。
水やりのNG行動
- 花に直接水をあてる
- 葉に直接水をあてる
- 水を与え過ぎる
- 気温の高い時間帯の水やり
- 冬の夕方以降の水やり
井戸水と水道水の違い
市民農園や貸し畑を借りる時、設備に「井戸あり」と記載されているものをみかけたことはありませんか?
今回は、家庭菜園を行うときの市民農園の井戸水と水道水の使い分けについて解説します。
水道とは
生活のために水を供給・処理する事業・施設のこと。
(Wikipediaより引用)
私たちの生活におなじみの「水道」ですね!
井戸とは
地下の帯水層から地下水を汲み上げるために地層や岩石を人工的に掘削した採水施設を指す。
(Wikipediaより引用)
井戸水とは
長い年月をかけて、土壌で自然ろ過されてできた水で、地下に存在する。
地下から地上の井戸へ、ポンプで汲み上げて利用。
そこから出てくる水を井戸水とよぶ。
井戸水は、殺菌・消毒処理はされていないため、飲み水や手洗いには向かない。
野菜の水やりや、道具の水洗いには利用できる。
井戸水は、自然の力でろ過された水なので、野菜の水やりや、道具の水洗いに利用しても問題ない。
手洗いや飲み水は、殺菌・消毒処理がされている水道水を利用する。
補足
井戸水で、収穫した野菜を洗っている人を見かけます。
井戸水は、殺菌・消毒されていないので、生で食べる野菜は特に注意が必要です。
加熱する野菜も、生で食べる野菜も、自宅に帰って水道水で洗うことをおすすめします。
雑草対策
雑草は何となく抜いたほうがいいというのは知っていると思いますが、雑草を抜かずに放置していた場合、野菜や育てている花などにどのような影響があるか解説します。
栄養分を奪われる
雑草は野菜と同じように、土壌中の栄養分を吸収します。特に、生育初期の野菜は、雑草に比べて栄養分の吸収力が弱いため、雑草が生えていると、必要な栄養分が不足し、うまく育たなくなる可能性があります。
日当たりが悪くなる
雑草は野菜よりも背が高くなることが多いため、雑草によって、太陽の光が遮られて日当たりが悪くなります。植物は太陽の光によって光合成を行いますが、光合成に必要な光が不足すると、野菜の生育が悪くなります。
通気性が悪くなる
雑草がたくさん生えることによって、通気性が悪くなり、ジメジメします。ジメジメした環境は害虫やカビの原因になります。水分を奪われる雑草は野菜と同じように、土の中の水分を吸収します。特に乾燥した時期には、水分不足によって野菜の生育が阻害される可能性があります。
病気や害虫の被害を受けやすくなる
雑草は、病害虫の隠れ家や越冬場所になることがあります。雑草が生えていると、野菜に病害虫が発生しやすくなります。
周囲とのトラブル
特に市民農園や貸し畑を利用している場合、雑草が隣の畑まで伸びてしまったり、病害虫の被害が隣の畑にまで及んだりすることで、トラブルの原因になる可能性があります。
雑草のトラブルや雑草の対処については、こちらの記事にまとめたのでご覧下さい。
根腐れ
家庭菜園で野菜を育てているときに、水やりも肥料も十分に行っているのになぜか枯れてしまう。植物の根元から元気がなくなって腐ってしまった。こんな植物の症状に悩んだことはありませんか?
根腐れは、水のやりすぎや酸素不足、病気などによって植物の根が腐ってしまうことをいいます。
根は、植物に必要な水分や栄養分を吸収する場所であり、ここがダメージを受けると植物は枯れてしまうこともあります。
根腐れとは
植物の根が腐ることを「根腐れ」といいます。
根腐れが起きることで、根から水分や栄養分を吸収できなくなり、症状が進むと植物が枯れてしまうことがあります。
根腐れは根の先の方から少しずつ腐り始めるので、早めに対処すれば進行をとめて植物を復活させることができる場合もあります。
根腐れの原因
- 酸欠:植物の根は呼吸をしています。水の与え過ぎや水はけが悪い土はでの野菜づくりは、植物の根が水に溺れて酸素不足になってしまいます。
- 肥料の与えすぎ:必要以上に肥料を与えてしまうとで、根の水分が土に奪われてしまう肥料焼けという現象が起き、次第に根が腐っていきます。
- 菌が繁殖すること:土や根が酸素不足になってしまうと、嫌気性菌という酸素を嫌う菌が過剰に増える傾向があります。 この菌が増えることで根腐れが起こります。
根腐れの症状
【根腐れがおきている時の土の特徴】
- 水やりをしても土に水が吸収されづらい
- 土の表面がいつも湿っている
- 腐ったような臭いがする
【根腐れを起こしている植物の症状】
- 葉の色が黄色や茶色に変わっている
- 茎や枝に元気がなく柔らかい
- 植物の生長が止まる
根腐れの対処法
- 水やりを減らす→根腐れの初期に限る。根の酸欠を防ぎ、症状が進行するのを防ぐ。
- 株ごと処分する→植物が枯れるほど症状が進行していたら、株ごと抜いて処分する。
- 必要に応じて農薬の使用を検討する→土の消毒をすることで、根腐れの原因菌を殺菌する。
根腐れを予防する方法
一度腐ってしまった根は復活することはありません。
新たな根が元気よく伸びてくれれば、植物自体が復活することもありますが、根腐れは予防が何よりも重要です。
- 土壌が乾いたら水を与える→根が水浸しになると、酸欠により腐ってしまう。
- 水はけのいい土づくりをする→特に粘土質の畑は水はけが悪いため、植物性の堆肥を施したり、畝を高めに作るなどの対策をする。
根粒菌とは?
根粒菌は、マメ科植物の根に共生して根粒と呼ばれるコブ状の器官を作る細菌です。
根粒菌は、空気中の窒素をアンモニアに変換する「窒素固定」という能力を持っています。
アンモニアは植物が利用できる窒素源なので、根粒菌はマメ科植物の生長に不可欠な栄養素を供給しているのです。
根粒菌の役割
- 空気中の窒素をアンモニアに変換して、マメ科植物に供給する。
- マメ科植物の生長を促進する。
- 土壌の窒素肥沃度を向上させる。
根粒菌とマメ科植物の共生関係
根粒菌とマメ科植物は、互いに必要なものを提供しあう共生関係を築いています。
- 根粒菌は、マメ科植物に窒素を提供する。
- マメ科植物は、根粒菌に光合成で作った炭水化物などを提供する。
マメ科の植物が養分の少ない畑でも育つのは、根粒菌との共生関係にあるおかげです。
畑で大豆などのマメ科の野菜を育てると、根粒菌が作った窒素化合物が土の中に残り、自然に土が肥えます。
なお、肥料を多く施した畑では根粒菌とマメ科の植物は共生関係を結ばなくなります。
根粒菌は肥料になるのか
根粒菌自体は肥料ではありませんが、肥料の効果を高める役割を果たします。
【根粒菌と肥料の関係】
- 根粒菌は、マメ科植物の根に共生し、空気中の窒素をアンモニアに変換する窒素固定を行う。
- アンモニアは植物が利用できる窒素源なので、根粒菌はマメ科植物の生長に不可欠な栄養素を供給する。
- マメ科植物は、根粒菌によって得られる窒素を利用して成長するため、化学肥料の窒素分の使用量を減らすことができる。
つまり、根粒菌が直接肥料の役割を果たすのではなく、根粒菌とマメ科の植物が共生関係を結ぶことにより、空気中の窒素を取り込み、植物に吸収されるアンモニアに変換することで、結果的に肥料のような役割をするわけです。
【根粒菌を肥料として利用する】
根粒菌は、マメ科植物以外には共生できないため、直接肥料として利用することはできません。
根粒菌の「菌」を畑にまくのではなく、緑肥として育てたマメ科の植物をマルチや堆肥、肥料として利用することが多いです。
例えば、カラスノエンドウなどのマメ科のを畑や庭の一角で育てます。
カラスノエンドウはマメ科の植物なので、窒素分を豊富に含んでいます。
刈り取って、草マルチや堆肥にするなどして、マメ科の植物自体を肥料として利用する方法があります。
マメ科の緑肥作物の活用法についてはこちらの記事をご覧ください。